スウエーデンの面白いものたち


by nyfiken
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秋の気配

9月にはいって、日本も過ごしやすくなったという便りをきく。スウェーデンでは、昨夜は満月が高い空で明るく
照らしていた。選挙がおわり、ポスターが町のあちこちにまだそのままみかける。政権も交代することなく、このまま資本主義ラインでいくことに。経済対策に強い現政権が評価されたのと、社会党にもモデラートにも疲れた少数がノスタルジー古きよき静かだったスウェーデンの昔回顧をし、愛国党が20年をもって20人も国会に議員をおくりだすことになった。SVENSKA DAGBLODET新聞では、そのSD党スヴェリエデモクラテイック党の全員の写真とプロフィールを載せていた。党のセクレタリーであるJオーケソンは、マスメデイアの露出度高く、今回は政治家のルール、マスメデイアを利用して党を十分宣伝し、言葉を尽くしていい印象を得られるようにと立ち回っていた。

"そうは、いっても移民が増えて、南で犯罪が増えたじゃないか。モスリムが50万人もこの国にいるんだよ!これは、数年前から倍増し、このままいったら、国中イスラム国になっちゃうよ。"と彼のテレビでの訴え。古きよき時代のスウェーデンを返してくれ!確かにスラム化しているカーデイガンズのニナさんが出身のメルモの町のなかのローズゴーデンのいい噂は聞かない。でも世界で一番美味しいアラブのファルファーレが食べられるという話も。ピザならケバブピザが美味しい。というのもスウェーデンらしい。

イラク難民は、多くスウェーデンに暮らしているが、いままであったイラクのひとで、イスラム教といったひとはひとりもいない。多くはクリスチャンという。本当はアメリカに行きたかったけど!とかアメリカの兵士の通訳をしていた。とか。トルコに山を越えて逃げたが、中間業者にアメリカへいくならこのお金。ヨーロッパなら半額。お金が、スウェーデンにくるしかなかったから。というひともいた。イラクのひとは、同級生にもいたが、物静かで、やさしい感じの印象が私にはある。

トルコ人は、プライドが高く、自信があるようにみえる。アフガニスタンは、むしろアジア的な、誇り高い部族という印象。と国によって印象を語るのはとてもあいまいではあるが、スウェーデンにこなければ、戦争難民やイラク、アフガニスタン、クルド人やトルコ人、イラン人などと会うこともなかっただろう。もう2世、3世の時代にはいっているわけで、スウェーデンしか知らない移民がスウェーデン人として育っているいまさら、国に帰りなさい!というのは、むずかしい。自国の国籍をすて、スウェーデン国籍をとる人が多い。世界中自由に旅ができるという。

選挙が終わってびっくりしたのは、移民差別党のSDに対して、ある17歳がFACEBOOKでよびかけ、ストックホルム中心にデモが。5000人から10000人という若者がおおきな声をだして、抗議デモをしていた。セルゲル広場には5000人が集まった。差別はいけないと徹底して学校で教育をされているスウェーデンの子供たちが、純粋に怒ったもの。ジャンヌダルクも若かったが、若さには、純粋に突進していくパワーがある。
フェイスブックの今日6時にというメッセージで集まるそのメデイアの力もすごい。

イギリスロンドンは、町のなかにインド系イギリス人の開いている何でも屋さん。(おかし、ジュース、りんごからくだもの、新聞などのキヨスク)が遅くまで開いている。ロンドンのタクシー運転手が言っていた。インド人のおかげで、おいしいカレーは食べられるし、夜おそくまで店があいている。ありがたいもんだよ。そこに、家政婦として外貨を稼ぎに入り込むフィリピン女性が多い。タイ人もタイ料理やマッサージで勝負。チャイニーズは古い時代の香港系より大陸から勉強しに、あるいは親戚をたよったり、移民が多い。アフリカ系も多い。ロンドンのヒースロー空港のなかのカフェでコーヒーを飲んでぼんやりみていたときに、はっと気がついたのだが、白人は30パーセントそのほかはすべて有色人種だった。世界の人種は混血が進み、そのうちみんな、同じ色になっていくのではないかしら。日本女性の30代以上の出産の3分の一近くがたしか外国人の男性が父親というのをどこかで読んだことがある。アメリカではイリーガル不法な移民が増えて問題になっているというが、国境をいろいろな形で越えようとして追い返される人が多い。アジアからは、フィリピンという話をきいた。スウェーデンは、結婚やサンボで住もうとするアジアの女性も多いが、3ヶ月で帰されたり、別れても財産をもらえない。自分で働かないとペンションがでないなど、自力自助の国なので、ガッツがない女性には不向きとみる。悪いスウェーデン人にそそのかされて、夜のストリップクラブで働かされ、家賃を払わされたりと、いろいろなケースは、ありそうだ。シングルマザーやひとりでがんばる移民女性に教育の機会を与えたり、援助の手をさしのべる国スウェーデン。SD党が送り込んだ20人の国会議員が国会でどういう影響を他の議員に与えるのだろうか。

教育の大切さを連呼していた政治家だが、学校での成績をいつからつけるべきかなど、本来なら文科省で話し合うことを政治家の論争の種になっていたのが面白い。がつがつしない、おっとりスウェーデンの子供を作り出し、大学には、ガッツあるお父さんががんばって働いている後姿を見て育った移民の2世がいい成績でどんどんはいってくるという話もきく。

実際に、学力の低下をおそれるFOLK党などは、未来は教室からというスローガンを宣伝カーに書いていた。スウェーデンは、やりなおしがきく社会だから、30代後半でもまだ学校や大学にかよっていたり、50半ばでこれから大学院で勉強しますというひともたくさんいる。税金で教育がまかなわれている分、学生ローンが安いことなど、ずっと10年近くべんきょうばかりしているロシア人女性を知っている。子供の養育費が少しはいり、また学生奨学金がはいり、安い学生ローンをかりながら、大学で福祉を勉強している。今度は博士課程といっているが、そういう人は案外少なくない。

スウェーデンにクル多くの移民は、オフィス掃除、病院の看護と掃除、ホテルベッドメーキング掃除、老人ホーム介護助手、福祉関係、サービスレストランビジネス、会計など。バスタクシーの運転手。小学校の休み時間の先生、絵の先生、幼稚園、保育園の先生、お店や市場の野菜うり、ホットドッグスタンドや経営など。ギリシア系掃除会社経営やユーゴスラビア系には、運送会社引越し業。南アメリカ系の室内お店内装業。中東系のパーマやさん。中国人移民はレストラン経営。タイは、レストラン、マッサージなど。カフェ経営、雑貨店経営。など。自由業が多いのも特徴。移民一世のお話。日本にいると移民ということばは、ハワイやブラジルという昔のことになるが、世界では、移民は現在進行形。移民は移動する人類の歴史。日本などは、SD党どころか、鎖国をして、切捨てごめん、白人が横浜から江戸に行くとき、何者かに襲われ切られたという江戸時代のイギリス人の書いた当時の本を読んだことがあるが、わずか100数十年前の時代は、世界は魔女狩りをしたり、切捨てごめんをしていた時代を思うと、意識を発展させることは、技術より難しいという気がする。

スウェーデンの新興マフィアやギャングが移民社会からもでているという事実も無視はできないが、世界の平等思想や差別廃止という思想から、リベラルであったスウェーデンが保守に動くというのは、デンマークの影響も無視はできない。がある意味では、デンマークは馬鹿正直なスウェーデンに比べると自分たちの利益を守ることにたけているマーチャントなのかもしれないという私の印象。

秋の青空。日本人は、紅葉の季節が大好き。天高く太陽がきらきらとやさしく輝いている昼さがり。
by nyfiken | 2010-09-22 19:24