スウエーデンの面白いものたち


by nyfiken
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売れる本と売れない本

海外に住んで、その経験やブログやお料理などや現地取材を本にして出版したいという人は多い。また実際出版し、それが日本の書店で、私のまるまる旅行記とか現地に住んで思った老人福祉事情などなど。イタリアの家庭料理、スウェーデンなら社会福祉やきっとスウェーデンらしい女の云々などが考えられる。さて、スウェーデンのジャーナリストで、ミレニアム連作を書き、最初に大手に相手にしてもらえず、海外の出版社が目をつけて有名になり、本人亡き後、映画化までされ、各国語に翻訳された。内縁の妻は生前ずっと彼を支えてきた唯一のひとなのに、本人をほとんど育てたことのない親や、あるいは腹違いの弟などがその印税を法律的なもので受け取り、裁判になったことは周知のことである。

スウェーデンに住んでいて、スウェーデンの暮らしや生活あるいは取材したことを本に出版しようとする人は少なからずいる。日本の出版事情は厳しいので、出版してもおそらく書いたひとひとりひとりに本が一冊だけもらえるかどうかというものですが、というのが前置きで、インタビューさせてくださいといった話がくる。出版事情が厳しいのはわかるが、取材費がただという出版事情がそこまで厳しいのは、どうしてなのだろう。印税がはいってもすずめの涙ともいい、書いてくれる人たちを募る広告代までは手が回らないといった話もきこえてくる。

ただの情報が増え、またプロとアマチュアの垣根が亡くなりつつある現代、質のよいミナに売れる本を出版する出版社の事情もわからないわけではない。マスコミご用達、ご当地ジャーナリストはどこの国にもいらっしゃると思うが、骨折り損的ナ苦しい台所事情といった話も聞こえてくる。さて、出版社は、海外暮らしスウェーデンで考えてみた!とかスウェーデンの老人はこうだ!老人ホームでわたしも考えた日本人シルバー会メンバーとか、ストックホルムで作るスウェーデン料理をスウェーデンの義理の父から教えてもらったお料理本。。スウェーデンの犬のしつけがいい理由、こうしてスウェーデンの犬はしつけされるスウェーデン犬教育事情。などなど。かわいいスウェーデンの子供部屋。いくらでも出版は可能性がありそうだ。

売れる本と売れない本。一万円に満たない記事募集のお金を出せないほどの日本の出版界の厳しい状況という話をふと小耳にはさんで、こういう題名になってしまった。謝礼ができあがった本一冊くらいというのは、せっかく時間をさいて書いた人も。。。でもいいんです。出版するのが夢だったんですから。と目がうるうるして夢をかなえてもらう!ということに出版社もあいまいにしてしまっているという気もしないわけでもないけれど、ヨーク冷静になって考えたら、自分の意見をいうのに、夢の出版という道具を使う時代は、もう終わりに近いのでは、とネット時代にふと思うのだけれど、早々だろうか。
by nyfiken | 2010-10-14 05:53