売れる本と売れない本
2010年 10月 14日
スウェーデンに住んでいて、スウェーデンの暮らしや生活あるいは取材したことを本に出版しようとする人は少なからずいる。日本の出版事情は厳しいので、出版してもおそらく書いたひとひとりひとりに本が一冊だけもらえるかどうかというものですが、というのが前置きで、インタビューさせてくださいといった話がくる。出版事情が厳しいのはわかるが、取材費がただという出版事情がそこまで厳しいのは、どうしてなのだろう。印税がはいってもすずめの涙ともいい、書いてくれる人たちを募る広告代までは手が回らないといった話もきこえてくる。
ただの情報が増え、またプロとアマチュアの垣根が亡くなりつつある現代、質のよいミナに売れる本を出版する出版社の事情もわからないわけではない。マスコミご用達、ご当地ジャーナリストはどこの国にもいらっしゃると思うが、骨折り損的ナ苦しい台所事情といった話も聞こえてくる。さて、出版社は、海外暮らしスウェーデンで考えてみた!とかスウェーデンの老人はこうだ!老人ホームでわたしも考えた日本人シルバー会メンバーとか、ストックホルムで作るスウェーデン料理をスウェーデンの義理の父から教えてもらったお料理本。。スウェーデンの犬のしつけがいい理由、こうしてスウェーデンの犬はしつけされるスウェーデン犬教育事情。などなど。かわいいスウェーデンの子供部屋。いくらでも出版は可能性がありそうだ。
売れる本と売れない本。一万円に満たない記事募集のお金を出せないほどの日本の出版界の厳しい状況という話をふと小耳にはさんで、こういう題名になってしまった。謝礼ができあがった本一冊くらいというのは、せっかく時間をさいて書いた人も。。。でもいいんです。出版するのが夢だったんですから。と目がうるうるして夢をかなえてもらう!ということに出版社もあいまいにしてしまっているという気もしないわけでもないけれど、ヨーク冷静になって考えたら、自分の意見をいうのに、夢の出版という道具を使う時代は、もう終わりに近いのでは、とネット時代にふと思うのだけれど、早々だろうか。