スウエーデンの面白いものたち


by nyfiken
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東電と三菱

東電の福島原発はGEでアメリカ産で三菱がかかわっていた。当然財閥三菱は、銀行も、重工も、不動産も巨大三菱と東電は実は切ってもきれない間柄とみる。三菱原子力が考える放射能汚染について。わたしは矛盾を覚える。レトリックとみる。リスクのない社会はないと言い切ってしまうことは、原子力をするあるいは放射能被害を最小限にするべ側の人間が使うことばとしては、相手をいいくるめるような言い方にしか聞こえない。
おそらく三菱から依頼されて、このように書いてくださいという指示があったような気がするのだが。

「暮らしのリスクと放射線」
独立行政法人 放射線医学総合研究所 放射線防護研究センター 規制科学研究グループ チームリーダー 神田 玲子 氏(三菱重工原子力事業HPより抜粋)


現代は複雑なリスク社会で、リスクがゼロという世界で暮らしているわけではない。
主観的にリスク源を並べると原子力は危険なものになるが、科学的に推定される順位では下位にランクされている。
放射線は大量に浴びると人体に影響が出るが、日常生活で浴びる程度の放射線では発がんが増えるような証拠は得られていない。


「暮らしのリスクと放射線」
神田 玲子 氏

放射線医学総合研究所とは

放射線医学総合研究所(放医研)は1957年に国立研究所として設立され、放射線利用により得られる便益(ベネフィット)とリスクの社会的調和を目指して研究を行う世界にも類の無い研究機関です。放射線利用推進の分野では、医学利用に特化した研究を行っており、当所で行っている重粒子線がん治療は国際的にも知られています。一方、放射線の安全規制の研究の分野では、万が一の被ばく事故に備え、被ばく医療に関する研究や全国の体制整備に取り組む一方、身の回りにある低線量の放射線の健康影響などについても研究しています。

リスクについては、人間の生命や経済活動にとって望ましくない事象の発生確率と定義される場合やその結果の大きさの程度と定義される場合があります。私たちの身の回りには、地震などの災害、交通事故、食中毒など様々なリスク源があります。これらのうち事故や災害、犯罪などは統計データから推計して主に死亡率でリスクの大きさを表すことができます。例えば2004年の1年間で林業の労働災害で亡くなられた方は69名おられましたが、当該労働者は86,486名(2004年のデータ)ですので、林業の労働災害年間死亡リスクは69÷86,486=8×10−4と求められます。同様に航空機の事故や鉄道事故など、死亡率でリスクの大きさを比較できるものもありますが、これらは年ごとに集計すると値が大きくばらつきます。また怪我をするとか入院する等のように死亡率では表現できないリスクもあります。
放医研では、過去に3回公衆の認知調査を行いました。これは、様々なリスク源を示して、危ないと思う順に並べ替えて頂くものです。これらを過去の統計等に基づき科学的に推定される死亡リスクの大きさで評価すると、一番大きいリスクは喫煙、二番はアルコール、三番が自動車事故ですが、主観的に並べてもらうと、一番はピストル、二番は原子力、三番が喫煙となり、男女別や年齢別にみてもあまり変わりませんでした(2007年の調査結果)。客観的には大きなリスクではありませんが、主観的な順では原子力は過去25年間を通じて常に危険なものの上位にランクされています。アメリカでも同様の調査をしたら、婦人団体が一番にあげたのが原子力でしたので、この傾向は日本だけではないようです。

リスクを天秤にかける

原子力が怖い理由に放射線をあげる方がいますが、医療で使われる放射線はどうなのか、調査を行いました。小さなお子さんをお持ちのお母さん方は、放射線検査は嫌がるだろうと思っていたのですが、結果からは、「自分の子どもに必要な検査は積極的に受けさせている」ことがわかりました。例えば妊娠中のお母さんは、新生児の心臓病の検査に比較的積極的です。また学童期の子どもを持っているお母さんたちは虫歯の検査に積極的ですし、もう少し大きな年齢のお子さんをお持ちの方は、骨折をX線で調べることにも積極的です。検査をうけるリスクと見合うだけの便益があるということが理解できれば、お母さん方は大変合理的に判断されています。このように、放射線が怖いかどうかという判断基準は、放射線利用による便益によって左右されています。「検査をするリスク(放射線被ばくによる健康へのリスク)」と「検査をしないリスク(病気発見が遅れるリスク)」を天秤にかける、あるいは「放射線検査以外(触診や問診、超音波検査等)の病気発見の精度」と比べることで、放射線検査による便益が納得できると、放射線検査はさほど怖くなくなります。
現代は複雑なリスク社会でリスクがゼロという世界で暮らしているわけではありません。リスクを正確に数値化して示すことは難しいのですが、その大きさを数値化して、個人や社会がリスクを受け入れるかどうか判断する時に使って頂く、これが、私たち研究者がリスクを数値化する目的です。ただ、災害や交通事故など実際の統計データから導かれるリスクと、いくつかの仮定に基づいて算出したリスクでは、本来意味が違うので、同列に扱うと世間に誤解を与えてしまう可能性があります。計算上算出できる非常に小さいリスクは何百倍しても、顕著なリスクにならないようなものもありますので、リスクの概念を使った説明をする時に、一般の方に誤解を与えないような説明をしないといけないと思っています。

以上抜粋
by nyfiken | 2011-06-29 02:23