スウエーデンの面白いものたち


by nyfiken
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

スウェーデンのペンションシステム

スウェーデンでは、最近公的ペンションだけでは、十分な老後生活ができないとプライベートな機関銀行などのよるペンション積み立てプランの広告が目につく。

まず、地下鉄駅の大手ノルデイア銀行のペンションを勧める広告ポスター。ひとつのポスターに二つの写真が対比。美しい南の島の夕暮れのシーン。ココナッツの木のシルエット。夕日が美しい海辺。写真の下に夢。と書かれている。右の写真も同じ写真。下に現実と書かれている。両方の写真の下に銀行のペンション担当のマネジャーのサイン付きお手紙。あなたの老後の夢を現実にしませんか。いまからペンションをきちんと積み立てましょう、我が銀行のペンションプランでゆとりのある老後を。もう一枚の大きなポスター写真(駅の構内高さ2メートル幅1.5メートルぐらい)には、スウェーデン人が好きなサマーハウス夏の小さな別荘。スウェーデンスタイルの小さな昔ながらの木の家。土色でペイントされたのスウェーデンの伝統的なサマーハウス。居間のソファーに座って、窓から見える景色は、湖と森と空。これを分析すると、老後も。現役時代と同様南の国のビーチへ旅行し、夏には、サマーハウスの別荘でゆったりとできる資金を蓄えましょうというメッセージが伝わってくる。老後になってから、急にそういう生活をするのではなく、今のリゾートへ旅行しサマーハウス別荘の生活をそのまま維持しましょう。といったほうが、現実感がある。

老後のペンションシステムは、65歳以上40年働いたひとは、公的年金APを毎月約15000クローネ(日本円で30万円弱)それから税金が30パーセンと差し引かれると約20万ほど手に入る。公的年金をファンドで運用するものPPMを付け加える人もいる。いずれにしても、働いた年月による。また組合の年金があり、組合がある企業、公的機関に勤め積み立てを30年などしてくると月に3000クローネ(6万円弱)ITP公的年金をファンドなどでファンドなどで運用するものは、I T K K それも一部付け加える。一般のスウェーデン人はそれらを合わせて、現役で働いていた時の約50パーセントから60パーセントの給料の額の年金を想定しているという。それに個人の貯金が老後生活を豊かに生きるための資産。

現役時代に、高所得者は50パーセント、他は35パーセントまたは、それ以下の多額の税金を支払って、生活するスウェーデン人。消費税は25パーセント。本などには、特別6パーセントの税金。(6パーセントの消費税は、スウェーデンでは安い。)

ファンドや投資など、スウェーデン人の中にも、積み立てをする人も増えているという。ただし銀行のフォンドの手数料を長年払うことにより、実は、結果的にもうけはないという批判するテレビ番組も先日放映された。

ファンドなどは、専門の投資家が運用する銘柄、銀行は比較的安全な株、投資顧問会社は、リスクは高いが多くの銘柄を扱うと投資会社に勤める知り合いがいう。日本の株の低落は、スウェーデンにもはるか聞こえ、アメリカの景気、あるいは今後のオイル問題で、世界の発展途上国の株を日々目をぎらぎらさせて追うヨーロッパの投資グループ。ここスウェーデンではどういう動きをしているのか。中国、インド、ロシア、アフリカの株まで世界に手を広げているようだ。そういった投資顧問会社は、ストックホルム中心地の古いビルに入っている。螺旋階段、美しい古い建てもの。若い女性がレセプションに。顧客に、コーヒー、冷たい水。スウェーデンは、一般の人には、長い列で並ばせるが、実はかなりの階級社会である。待たされることのない、一般のひとが入れない特別の会員制のレストランやクラブ、住んでいる地区の人だけしかつきあわない上流社会はヨーロッパでは、存在する。もちろん新興成金も含めての話だ。親の遺産で悠々と食べていく人は、いいが、労働階級のほとんどのひとは、たくさん働いてたくさん税金を支払うスウェーデンシステムに従わないと、暮らしていけない。


石油やオイル問題は、アメリカに住んでいる友人達の声が聞こえてくるが彼の地のほうが危機感が強いようだ。もう遠くには旅行はやめるわ。近場にしよう。車社会のアメリカのガソリン高騰は確実に日常生活の経費がかかり、生活費の高騰により、低所得者や年金者の生活を圧迫する。

タイでは、生活費のなかの食料費があがり、貧困が進んでいるという。昼は、坊主頭で偽の托鉢僧に夜は、かつらをかぶって売春婦。という記事は、タイらしい。

ゆりかごから墓場まで。教育費がただ、医療費は2000クローネ(約4万円)以上ただというスウェーデン。年金にも多額の税金がかけられる国。ペンションのひとの一人暮らしは多い。シングルの多いストックホルムの80歳以上のお年寄りが入る老人ホーム。人でがたりない。移民のひとが最近多く老人ホームの看護をする世界に。知り合いの南米出身のアルゼンチンからきたタンゴダンサーは、死ぬまで老人の看護をした。プライベートで雇われた個人宅の病気の老人を看取った。ある日学校にきて、”今日早く帰るの。わたしのずっとみてきたおばあさんが亡くなったのよ”涙をぽろりと落とした。わたしと夫(アルゼンチンから20年前に移住ー介護の仕事をしている)が交代ですべて面倒をみてきたのよ。悲しいわ。”多くの移民同様、男性がスウェーデンに20年以上住み、再婚相手として自国から若い女性を求めることが多い。アフリカ人のクラスメートもその一人だ。

20年以上前に来たポーランド移民の夫のもとに嫁いできたポーランド人の女性がいう。

”問題は、夫とその妻だったスウェーデン人の間に生まれた子供なのよ。一週間おきに週末に食事にくるのだけど。多感な10代の男の子。新しいパパの奥さんの私をそんなにすぐに好きになるわけがないわ。携帯電話で母親に、なにがあるとかないとか話しているのをきくと、ちょっと見張られているみたいでいや。息子は、父親にわたしがいじめたというし、そのうそでこの前も大げんかになったのよ。”とポーランドから嫁いできたポーランド移民男性と最近結婚した女性がこぼす。”それをふんふんと大きくうなずいて聞いているのは、ルーマニアから来た若い女性。夫はふた回り以上のスウェーデン人だ。”夫の先妻との子供。週ごとに夫のところに週末くるけれど、なかなかなつかないわ。子供はかわいいから、夫は子供のことになると、やっきだし、わたしがなにか口をはさもうものなら、人が変ったみたいなのよ。”と涙がにじむ。

ペンションシステムは、多くの移民を仕事にかりだす。結婚によりスウェーデン人と一緒になってもサンボシステムで同居して結婚同様と社会でみとめられても、自分が働かなければペンションがもらえない自助自立の厳しい国スウェーデン。アフリカのエチオピアから同国の人に見初められてスウェーデンに嫁にきた若い女性がいう。”今の会社の掃除夫の仕事。バス代を往復すると毎日3時間労働、なけなしの給料から税金を支払ったら、1000円手許に残るかどうか。でも、ペンションがもらえるし、そのうちきちんとフルで働ける様になると思うわ。”

今スウェーデンのホテルの朝食のウェートレス、キッチン、トイレや部屋の掃除、ベットシーツ交換。駅の掃除。会社のビルの掃除。オフィスの掃除。レストランや病院の掃除夫。バスの運転手。タクシー。老人介護。看護婦の助手。移民が多い。ストックホルムの中央駅横のホテルの一階ロビーレストランの奥のトイレにいく。タイ語が聞こえる。朝食のサービスをするのは、チリ人。そしてベットシーツ交換などは、南米移民やタイ人女性が多い。個人の金持ちの大きな邸宅の掃除は金髪のロシア人かポーランド人。お金持ちの白人宅の掃除お手伝いベビーシッターの世界は旧ソビエトからの移民とテリトリーがある。

働かざる者、老後資金はゼロというスウェーデンでは、すべての人を、労働にかりたてる。移民も、必死で社会をささえ、老後のペンションを自分の手で稼ぎだすしか、方法はない。若い10代には多い夏のアルバイトは、黒い仕事(税金を支払わないので手取りが多いが、ペンションや将来にむすびつかない)が多いといわれるが、今の大金より明日の確実なお金を考えて、税金を払う仕事を選ぶ人も実は多い。税務局では、移民や学校など一般むけに税のシステムや年金にいたるまで、講座でコーヒークッキーつきの授業がある。
もちろん我々移民といわれる外国人も、スウェーデン語の学校で連れていかれた。

あまり預貯金をしていないといわれるスウェーデン人も、かわりつつあるようだ。
by nyfiken | 2008-07-04 18:00