スウエーデンの面白いものたち


by nyfiken
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 今日も早々と日がくれて、日曜日もあっという間に過ぎてしまいました。日本の明るい部屋なみに、すべての明かりをつけて、明るくして、明るい音楽を聴いています。ハワイの音楽とか、イパネマ云々等々。ここで暗い思いブルースやジャズはちょっと重い気分なのです。

 クリスマス前の街は、きらきらしたものが多くなって、街をあるくとアドレナリンがでます。どうやっていいアドレナリンをだすか。これは、寒くて暗い北欧での生活上のテーマです。

 11月にはいったら、サフラン(血行をよくする)を使ったパンもでてきました。まったく利にかなっていますね。薬屋さんでは、サフランのパウダーがレジ横で売られています。カルダモンを使ったパンやケーキが多いのも、気分を高揚させる薬効があるからですね。カルダモンを邪道ですが、あんこにかけて、あんことアイスクリームそしてカルダモンと一見ミスマッチのように思える組み合わせが案外気に入っています。
 先日スウェーデン人、アフリカ人、ポルトガル人、コロンビア人を簡単な食事に招待したときに、デザートに、おそらくこれが最初で最後のミスマッチに挑戦しました。(挑戦というよりも他になかったので)スウェーデン人はキャンドルがゆらゆらとロマンチックに揺れていないとだめなので、ほとんど顔がみえるかどうか、穴蔵の居酒屋のような暗闇に、ろうそくをゆらしていたので、このデザートもよく見えなかったと思うのですが。(前書きが長い)


 日本の知り合いからいただいた、北海道のポテトチップにチョコをかけたもの。これもいただきものですが、下北沢の本多劇場下にある面白い店が集まっている(案外気に入っている。)ところで買ったといういかチョコ(いかのするめにホワイトチョコをかけたもの。日本人の酒のつまみにはぴったりなのですが)。スウェーデン人には全く人気なし。イかとチョコの組み合わせが受け入れられないらしい。ならばシューストリミングとチョコは?

 バニラアイスクリーム、カルダモンハニーアイスクリーム、それにパッションフルーツのソルベを3種類いれ、そこにあんこ、そのうえに抹茶をぱらぱらとかけて、そして北海道ポテトチップちょこがけを3枚ほどいれ、いかチョコをちょっとだけぱらぱらとまぶしてだしてみました。

 3口くらい食べたら、さすがお魚をいただくスウェーデン人が、”あ、このアイスなんだか魚くさい!”とさわぎましたが、他の人はなにも気がつかずにたべていました。その前に、発酵した魚の缶詰シューストリミングの話をしていたので、”ふふ。シューストリミングアイスクリームよ!”と冗談をいったら、本気にされましたが、まったく悪い冗談です。が、そういいながら、日本のあんこと3種のアイス、抹茶がけにちょっとだけ日本酒を1,2滴。あんこの一滴も残さず、お客様はすべてを平らげました。日本は、やはりすごいと思うのです。既成の概念にとらわれず、イかチョコとか、ポテトチップチョコレートがけを作る。虎屋や京菓子の高級なお菓子ようかんなどは、日本通以外のひとには、なかなか理解されず、ありがたみがわからないようです。残念。

 気になるお店。Vasastan,オデンガタン通り92番地のアフロデイトアンテイックは、スウェーデン人のオーナー(男性)の美意識に注目しています。ストックホルムにいらしたら、是非立ち寄ってみてください。そこでのオススメは、本当に気に入った自分用のワイングラスを買うこと。もしくはリキュール用のグラスを買って、帰られることをおすすめ。1930年代のシャンパングラスは、たちまちあまりの美しさに、一個だけ自分の誕生プレゼントに買いましたが、2個目は、また自分へのクリスマスプレゼントにしようと思っています。フランスのマテイスの娘さんにも以前パリであったそうですが、交渉次第ではマテイスの絵も手に入るかもしれません。お値段は?交渉の際は、このブログまでご連絡を。(といってもどれくらおまけしてくれるかわかりませんが、人脈は尊い。)時々かわるショーウインドウの飾り付けに季節感やスウェーデン男性の美意識の高さを感じます。一生の宝物が絶対みつかります。
by nyfiken | 2007-11-26 01:38

北欧推理小説

日が暮れるのが、本当に早く、暗さにも目がなれつつある今日このごろ。黄昏の好きなわたしも、光を求めて、明るい店に時々行く。ストックホルムのお店の中は、こういった暗さを吹き飛ばすような、きらきらしたものがあふれている。クリスマスカード、クリスマスを意識した飾りもの。ひとつだけ違うのは、日本のように町中にジングルベールの歌が聞こえないことで、静けさの中で買い物ができることが、うれしい。シックなクリスマス。カフェは3時すぎるともうキャンドルがゆらめいている。スウェーデン人は夏の明るさを楽しむことも、また冬の闇の暗さを楽しむことも知っている。暗くなると色や光に敏感になってくる。大人が楽しめるたくさんの美しい雑貨が町中にあふれているのは、その光や色に敏感な闇の暗さがあるのかもしれない。


暗い北欧の初冬にぴったりの北欧推理小説。北欧ミステリーの女王カーリン、アルヴテーゲンの小説を今読んでいる。日本の題名では喪失。英語ではMISSING、とそれぞれ訳されて出版されているが、スウェーデンではSAKNAD.の題名がついている。2000年ベスト北欧推理小説賞受賞。世界20国で翻訳されているというから、その実力人気は知るところであろう。日本語と英語とスウェーデン語を読み比べているが、翻訳者の苦労が感じられる。英語はそれほど難しくないのだが、英語とスウェーデン語の間にニュアンスの違いが感じられる。日本語の訳はとてもよくできている。ストックホルムやスウェーデンに住んでいると誰もがわかることが、外国に住んでいる人が本では名前をだしてもピントこない場合、それをはっきりとさせるために、訳の中で自然に理解できるようになどの工夫が日本語訳ではある。スウェーデン語の本のCDがでていて、本屋で手に入る。

主人公がSMALANDの出身ということになっているせいか、わざとそちらのアクセントをつけていっているのか、その辺がよくわからない。ストックホルムの町中をちゃらちゃらと楽しそうに歩いている女子校生の女の子たちが話す甘い言葉でないことは確か。ミステリー小説の主人公はやはり暗い。ただこの小説に一貫しているのは、悲劇や苦しみのなかに、さしのばしてくれるたまたま偶然あった人間の、偶然の救いがあることで、そこで読者は救われる。人生において、まったく知らない他人が偶然助けてくれたり、あるいは、期待しないけれど、ちょっとしたアドヴァイスに耳をかたむけて偶然道が開けることもあるのは、著者がもしかしたら、経験したことなのではないかと思う。私小説が多いといわれている日本の文学とは、また北欧の小説は違うので、どういうものであろう。
そこはこれから、時間があるかぎり、いろいろな本を読んでみたいもの。

日本語訳者の柳沢由美子氏が本人とのインタビューで聞いた”人生はよきにせよ悪しきにせよ予期せぬことにみちあふれているわ。わたし自身がなによりの証拠よ。だから、よいと感じることの中にしっかりと自分をおいて今をいきることが大切だと思うの。”このコメントは、胸にずんとくる。

人生のなかで、いろいろな問題がおきたときに、人間がその苦悩や逃れられない苦からなんとかたちあがって、立ち向かっていく。そういったシチュエーションが推理小説の中にあり、孤独な女性が家族や友人ともわかれて、究極の孤独のなか、また貧しさの中生きていく。ぎりぎりの中で、彼女を救ったのは、偶然であった子供くらいの男の子。人生にはそういうこともあるのだ。利害関係、利用したりされたりすることの多い今の時代には、見返りを期待しない純真な親切心が本当に尊いものと思える。愛もそうなのだろうが、単純でないことは確か。

ストックホルムの町中の通りや教会が、でてくるので、これを読むときは手許にストックホルム地図があると面白い。子供の頃と現在が交互に語られるので、その時間がいったりきたりするのに、なれるまで時間がかかる。今一番油ののっている女性作家といえよう。彼女は、いつも今度の小説が最後かもしれないし、その後は書くかどうかわからないわ。というそうである。兄の事故死のあと鬱病で苦しんでいるが、その大変な時をくぐりぬけた、苦しさからの脱出は、著者に重なるところがある。
by nyfiken | 2007-11-23 08:50