スウエーデンの面白いものたち


by nyfiken
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日本のニュース大阪の事件について。

最初この事件のニュースを知ったとき、ずいぶん昔のコインロッカーベビーがいまやワンルームマンションおきざり事件となった。日本もスウェーデンも似ているところがひとつある。都会の真ん中に立つ瀟洒なマンションは、実はワンルームマンションというのが多い。それだけシングルが多いという現実。スウェーデンのストックホルムのワンルームも部屋の中にベッド、ロフトスタイルとソファなど、日本と代わらない。値段も日本と同じくらいかストックホルムの中心だと東京の銀座くらいの値段となる。ワンルームマンションベイビー事件をきっかけに、虐待や子供遺棄を防ぐために、もう少し警察が隣人の声をピックアップして、踏み込むべきだと思う。どういう次の世代の子供たちが育つかは、日本の国の将来の総力に関わってくる。

大阪市の職員を派遣24時間体制という考え方自体が甘い。というのは、スウェーデンでは隣人の通報がこのようにあった場合、職員などというものではなく、警察がドアをたたく。だめならこじあける。子供の虐待はとても大きな罪。市のセンター職員にどういうことができるのだろうか。空手や柔道のマスターではない。いろいろなケースを考えて、スウェーデンのように、警察が連動するべきだと私自身は考える。

この辺のシステムのありかたであるかぎり、いつまでたってもこういうケースはなくならない。大阪市ではない、他の市町村では、どういう対応がとられていて、どういう効果を発しているのだろうか。不審者が外からはいって、なにかがおきたら、警察が来ても、家の中の騒動は、子供だから子供を守る児童福祉館という縦割り行政であるかぎり、この問題は解決が難しい。むしろ、警察、児童いじめ相談署などが連結する必要があると思う。

23歳の2児の母親。遺棄。19歳から20代前半は、ガラスのように、心が傷つきやすい。年代のせいではないと思うが。おそらく、この事件で少子化にますます拍車がかかる可能性すらある。安心して子供を埋めない社会というのだろうか。シングルマザーが日本では、かなり大変という現実が露呈した。働く場所が限られる。若くして、純愛を通して結婚、出産と夢の生活から、離婚に至るまで辛い日々が続いたことも想像できる。

スウェーデンでは、離婚しても、父親と母親が半分ずつ面倒を見ることになっている。今週は、わたしが、来週はあなたが。というふうに。だから離婚しても別れた顔もみたくないはずのパートナー同士、子供を相手のアパートに送っていったり、迎えにいって新しいお相手によろしく。と挨拶するのは、ドライであるが、普通だ。最初は、子供がかわいそうとも思ったが、逆にいうと、離婚後の責任は、男女半分ずつある。その覚悟がないとスウェーデンでは、子供を持つことは、難しい。おとうさんが、乳母車を押し、子供をおふろにいれ、夕食を作り、食べさせ、かたずけ、ねかしつける。ママが仕事から帰ってきたら、奥さんの分もご飯を作って待っているのは普通。知人によると、夜いつもお風呂に子供たちをいれて、ベッドにねかしつけ、絵本を読んであげるのは、父親の役目だったという。

日本の残業では、なかなかそうはいかない。スウェーデンでは、仕事は、きりがないが、家族が大事というのが、徹底している。特に子供が小さい頃は。という風に私の目にみえるが、おのおののケースがあるはず。子供が小さい時は、夫の協力がないとむずかしい。それをおばあさんの世代が、わたしが若かったころは、みんなやったのよ。と昔の価値観でいうのは、どうだろうか。時代は、まったくこの10年で変わってしまったと私の眼には見える。団塊の世代が、退職者となる現代。今の20代の生きてきた過去20年で世界は、がらりとコンピューターにより変わってしまった。両親や祖父母とは、価値観がまったく違う。

大阪のケースで両親に泣きつけなかった理由も、あるいはその日すごすお金のために、不本意な生活でありながら、職場では、それなりにまじめにお金のために働いていたかもしれない。くたくたになって、帰り、子供を二人育てることは、ワンルームの中ではほぼ不可能だったはずで、どうして泣きつける場所がなかったのだろう。彼女なりに、そういう姿を他人に見せたくなかったかもしれない。理想と現実のハザマで、2重の生活を生きていた可能性もある。親にだけは、いいたくないという過酷な現実をワンルームに閉じ込めていた。それとも単に無責任だったのだろうか。

都会の盲点。医療制度で、ヨーロッパで唯一出産率が伸びているフランスの母親ケアをもう少し見習ってほしい。制度や公の機関だけでは、今回のことを阻止できない。だれもが、どうして公的機関が察知できなかったのだろう。この場合は、警察がはいっていくスウェーデン)子供の泣き声がしただけで、隣人の届出で警察がドアを開けることができると聞いた。以前知り合いの赤ちゃんがとてつもない夜鳴きをして、隣人が警察にいじめているのでは、と電話。黒い皮手袋の警察官が激しくノックし、ドアをあけなさい。と夜中にきたという。実際に外国人である友人に起こったこと。これだけ、近所の人の通報が大切にされる。

いずれにしても、シングルマザーや子供を持つ女性にたいしては、スウェーデンのほうが、おそらく手厚いサポートがあるはず。スウェーデンでは、養子をもらう人が多い。多くは、韓国、中国で、審査された両親が養子にする。知人で韓国の孤児院にいた3歳児をスウェーデンにもらって、育てた人を知っている。大きくなり、有名人と結婚、結婚した相手も、養子であることを知っているし、立派に育っている。誰も養子に関しては、色眼鏡で見る人はスウェーデンにはいない。日本の事件を知るにつれ、育てられない人は、海外との養子縁組を考えたほうがいい。どこの親でも子供と離れて暮らすことを望むわけがない。でも事件が起こっては遅すぎる。

最後にひとこと。シングルマザーで子育てに疲れて日本に疲れている人は、スウェーデンの田舎で牛を世話をするおじさんたちが、嫁がいなくて困っているところもあるので、そういうところへ、お嫁さんにきて、牛をそだてながら、子供たちものびのび育ててみるのもいいかもしれない。まじめに生活して、一生懸命やったら、小さい田舎でも楽しく生活ができる。そういうタイからの花嫁がスウェーデンの田舎にいて、ブルーベリーをつんだり、きのこをとったり、野菜を作ったり、タイ料理屋台やレストランやすしレストランをひらいて、たくましく生活している。スウェーデン語?少し英語ができたら、こちらにきてから、無料の移民学校で毎日勉強をさせてくれる。そのうえ、学生奨学金。プラス子供の数の援助金が出るというスタイルには、驚き。子供を遊ばせる部屋とおかあさんのための、勉強部屋まである。風俗嬢で、ワンルームに子供を置きっぱなしで餓死させるより、ずっとポジテイブだ。少し考えてみてほしい。ただし冬はマイナス20度を覚悟しよう。
by nyfiken | 2010-08-03 08:24