スウエーデンの面白いものたち


by nyfiken
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5月。聴きたいレトロな70年代の歌

初夏。北欧は、春の桜の満開時の暖かい季節からいったん肌寒く、風や雨とお天気が今一つだったが、昨日また太陽が照り、初夏を思わせる日となった。爽やかな初夏といっても、太陽が照らすと暖かいが、陰るとまだコートが必要。雨が降らない6月もすぐだが、ヨーロッパではジューンブライドにふさわしい季節となる。NHK今月の歌ではないが、ふと5月の今頃に聴きたくなる歌が、レトロな歌となる。もっとも音楽は、散歩やちょっとしたインスピレーションから、その日にふさわしい音楽をふと聴きたくなるのだ。


昔のことを言うと、小学校の給食の時間に、食事が始まる準備の時間から食事の間中、ムード音楽がスピーカーで流されていた。当時のレストランでは、日本では、低くムード音楽が流れていた時代で、ランチタイムを少しおしゃれにしようとした試みだったのだろうか。先生の趣味かクラスメートの後慶応に行ったTが長だった放送委員の趣味だったのかわからないが、多くは当時の大人たちがよく聴いていた映画音楽のポールモーリアなどがかかっていた。荒野のなんとかカウボーイの映画の主題歌などは、今でも曲の途中の掛け声が耳から聞こえてくる。大人になるまでその歌は、荒野の用心棒だと思っていたが、調べると夕陽のガンマンだった。

題名は勘違いしていても、脳がメロデイをしっかりと記憶している。給食が始まる前のペコペコのおなかに、このぴよんぴよんという音が響いた。途中、男性の掛け声が音楽のメロデイの中で繰り返され、小学校5年くらいの乙女には、聞いているだけでなんとなく気恥ずかしかった。

給食時間に音楽を通じて遠いアメリカの砂漠の荒野のカウボーイ像を想像した。給食当番がひとりひとりのお椀にもりつけて、列に並びながら、うどん玉をいれたお椀の上にに人参や大根などの具がはいっていたけんちんうどん汁をかけている間、夕日のガンマンの音楽は教室に鳴り響いていた。アメリカの映画音楽を製作した人は、まさか当時の日本の小学校の給食の時間に、全校の教室に映画音楽が静かに鳴り響いていたなど当人たちは知る由もないだろう。世の中がのどかな時代でもあったし、携帯電話もコンピューターもなかったが、クラスメートが、電話は、ダイヤルを回すのなく、ピポパとボタンを押すようになるんだってとみんなに自慢そうに話していた。




年をとって少々ぼけても、若いころ好きだった歌は、メロデイや歌は案外しっかりと覚えているという。あなたがまだ子供なら、70年後生きていることを考えれば、今の好きな歌を大切にしてほしい。10代に好きだった歌は永遠の歌となり、老人ホームで歌いたくなる青春の歌となる。当時世の中は、抒情的なセンチメンタリズムがあり、今の時代より、当時の若者や大人たちはもっとナイーブな感じがしたものだ。60年代は、自由を求め、それまで家柄や出身の家の経済状態で勉強ができない人たちも、大学の門が開かれて、進学する人も増え、また女性たちも進学するようになった時代が60年や70年代とみる。

話は戻るが、映画音楽が流れていた小学校時代に、お昼ご飯時に、音楽が教室に流れた。私の通っていた学校は食堂でいただくのではなく、給食当番が給食室から運び、教室のテーブルがそのままテーブルクロスをかけて、食事をすることになっていた。パブロフの犬のように、当時聴かされた映画音楽を聴くと、おなかがすくのではないだろうかしらと聴いて見るが、やはり食欲がでてくるようだ。

全校生徒は映画音楽を聴きながら学校給食当番が準備をしている間に、クラスの机を6人のグループにまとめて、その上にテーブルクロスをかけた。給食当番が食事を給食室に取りに行く間に、サウンドトラックの映画音楽からなぜか全校一斉に”石鹸で手を洗おう”の音楽が流れ、掛け声で全員が手を洗い、おとなしく席についた。ナプキンをかけて、食べ残しは禁じられ、背筋を伸ばして食べなさいと先生に言われた。牛乳が飲めない子は、当時アレルギーにそれほど社会が関心がなかった時代、先生に無理やり飲むようにと指示をされた。

クラスの天然パーマのふみちゃんは、吐き気を押さえながら、泣きながら牛乳を飲んだ。そばで見ていると鼻をつまんだり、いろいろ工夫していたようだった。豚肉の脂身が絶対食べられなかった私は、3枚肉のような肉の破片をスープの中に見つけ、どうやって脂身を食べようと悩んだ。ポールモーリアの素敵なロマンチックな映画音楽のシバの女王やエーゲ海の真珠なども脂身との葛藤していたので、ムード音楽がお皿の中のよけられた脂身の破片の山の映像と連動する。

家では、当時母親は、お肉にうるさく、脂身を食べると体に悪いと信じていた。エンゲル係数が高いが、ロース肉など脂身の少ない部分を子供たちに食べさせた。学校給食は、好き嫌いをいうと先生に怒られる時代で、今のようにアレルギーがあまり認知されていない時代だった。残すことはいけません。先生がずっと食事の間に好き嫌いがある子供たちに、それを直すべくしつけとして厳しくあたった。

結局、脂身を食べられないクラスの3人と牛乳が飲めない4人が給食時間が過ぎても残り、(食べてしまわないうち、昼休みに遊べない)休み時間に、残された生徒は、脂身の肉と牛乳と葛藤した。長い時間がたち大人の今では、3枚肉のベーコンカリカリに焼くと脂身も食べられるようになった。

クラスの隣の席の男の子も脂身が苦手で、当時のパンの中味をほじくり、中に脂身をつめこみ、おにぎりのようにぎゅっと圧縮して、味合わないように飲みみ込んでいた。先生が全部食べなさい。残さないでという方針に、生徒のほうも工夫をした。私も脂身を小さくして、薬のように少しずつごくりと丸のみをしていた。当時の日本は、給食にはロース肉などあまり使われておらず、脂身の多い部分を使っていたようだった。口の中でぐにゃりとする感触もいやだったし、どうしても受け入れられない脂身肉の破片だった、給食の豚汁などは好きでも、中に浮いていた脂身を考えた時に至極憂鬱だった。今なら、3枚肉の脂身も平気でいただけるし、脂肪のない肉は、チキンの胸肉サラミしかりで、あまり美味しいと思えない。

クラスの脂身を食べられなかった男の子が、じっと下を見て皿の中の脂身を恨めしそうに見ている私にも同情していた。私の皿の横に最初から手をつけずに、よけてあった脂身をいいよ、僕が食べてあげるとパンの中に入れてといい、そっと手つかずのお肉の破片を自分のさらにスプーンで移した。パンの中におにぎりのように脂身を埋めて圧縮したものを口に入れて飲みこんだが、今から思うとその男の子がどうやってその圧縮したパンを飲みこんだのか思い出せない。親切なクラスメートの子はだれだったのか忘れてしまったが、事実は、記憶に映画音楽と一緒に記憶に刻まれている。

今の時代ならば、アレルギーの一言で簡単に許される問題だったが、当時は物を粗末にしたり、食事を残すことを良しとしない時代だったので先生は、物を大切に食べることや扱うことに神経をとがらせていた。子供にもロマンチックな映画音楽だったが、葛藤していて食べていた給食の音楽は、大人の映画を子供ながら想像した。時代は、アメリカスタイルのファーストフードがまだ日本ではなく、給食のおばさんが、手作りのお料理を作った時代だった。クラスメートのOうどん屋さんのお父さんが、学校にうどんを納品し、ビルの屋上にプールがあるクラスメートのYお肉屋さんがお肉を納入していた、学校の給食室で近所のパートのおばさんたちが作った
お昼ご飯は、美味しかった。ただ、途中から白い牛乳に粉末の粉を入れてコーヒー牛乳メニューがあり、そこには細いストローが付いてきた。牛乳を温める生徒は、朝、先生から聞かれて、注文があり、温かい牛乳を所望するとちゃんと温かな牛乳が飲めたことが嬉しい取り計らいだった。


5月新芽がどんどん伸び、木に白い花が咲き、チューリップがストックホルム中央駅前の花壇で色の饗宴(赤黄色ではなく、もう少し抑えたシックな色見)を奏でている。庭が好きな人は、一日中、お休みの日は特に庭にでてお花や野菜のガーデニングに忙しいようだ。ジャムやピクルスを作る人。スペインからのイチゴが市場に入ってくる。私は以前隠れたジャムおたくだったが、それは食べることという意味である。

昔の女性は、せっせと保存のジャムを作った。夏美味しい果物が出ている間に、冬に備える昔の人の知恵には頭が下がる。スウェーデンも、手作りの焼きたてのパンと手作りのジャムは美味しかったはず。イギリスにおいてはレモンカードが、ママの味なのだろうか。ストックホルムのスーパーに並ぶジャムは、東京のスーパーと同じくらいあるのだが、イギリスからもフランスからもジャムの特徴がある。最近では、近所のスーパーでフランスのマーマレードがふた瓶買うと小さなクックブックがついてくるおまけに、つられて思わず買ってしまった。3種類のオレンジのマーマレードでフランス語曰くポンプルムースが入っている。南の島でよくいただいた甘いポンプルムースは、グレープフルーツを甘くして大きくした代物だが、スウェーデンには、ないのが残念である。フランスには、植民地経由でポンプルムースがあるのだろうか。

スウェーデンでは、ビタミンが豊富な生でいただくとすっぱいハブトロンの実のジャムもリンゴン同様栄養価が高い。私自身は、とろとろしたジャムが好きだが、日本のスーパーの成城石井で売られていたアメリカ製のジャムで数種類の果物を混ぜ芸術品にしたようなとろとろの瓶を揺らすと上から下まで流れるようなすべらかなジャムのビン詰めは、今まで食べた中での最高だった。が残念ながら名前が思い出せない。以前は、凝りに凝ってスパイスを利かせたジャムをせっせと作っていた時代もあるが、最近は、ジャムの前に生で食べてしまう怠惰な自分を反省している。ジャムを作ることは、ビンの煮沸から始まり、旬を閉じ込める昔の人の知恵だが。知り合いのマダムは、自分がサマーハウスの庭で摘んだベリーの自家製ジャムを何本も作り、きれいな布で瓶をカバーする。フルで働いて、子供も2人いる忙しい女性だが、家事もこなして、本当にこういう女性には、頭が下がるのだ。

5月の花、先日街中の市場で見つけたスズランの花。野の花は勿忘草など繊細なきれいな花が多い。
この季節には、少しレトロな曲を聴いてみたい。レトロな雑貨屋は、セーデルマルムにあるが、先日数年ぶりに通りがかったリサのお店を覗いてみた。最初にそのお店に来たのは、今から18年前。一番最初にスウェーデンを訪れた時に、ふと通りかかり入ったお店。リサさんはまだ当時は、40代くらい?昔観た小さな恋のメロデイのマークレスター演じる男の子のママ役(憧れのママ)女優に雰囲気が当時似ていた。ロンドンのノッテイングヒルにあるアンテックジュエリーのお店や、個性的な手作りのお店などがもっとストックホルムにほしい。

レトロなワンピースや古着の有名なお店を、覗いてみたら、東洋系の女性が一人アシスタントで入っていた。鼻歌を歌い、世界中のレトロな洋服を知っているリサに、手伝っている風だ。洋服を選ぶ審美眼は、リサだからであり、長年洋服を見てきて知っている彼女の右に出る人は、あまりいない。もうひとり、レトロな服を知り尽くしている人は、セカンドハンドヴァンテージ洋服のクングスホルメンの59のオーナーだろうか。

横浜の元町の裏側の道にやはり古着の洋服が売っていて、フランスのバンテージショップから仕入れた花柄のブラウスなどがあった。日本のオーナーは、直接パリに買い付けに行くので、センスの多いものを置いているヴァンテージのお店があるが、リサのお店には、他のヴァンテージ古着屋さんにはない掘り出し物やいいものがある。

LisaLarsson secondhand
Address:
Bondegatan 48
11633 Stockholm .
Telephone number: +46(0)8-643 61 53 .
Website URL: www.lisalarssonsecondhand.com/

リサさんやスタイリストのママたちは、きっとおしゃれだったのだろう。リサの店は、パリのお店のように古いフランスの歌が流れていたが、背の高いスウェーデンのおねえさんは、イヤホンで大音響でハードロックを聞きながら洋服を探していた。1970年代に表れたウオークマンをはじめとして、人を好みの音楽をいつでも聞ける状態にしたが、場の雰囲気を共有することをなくしてしまった。

パリの古着の洋服屋さんの雰囲気をかもしだしているシャンソンが流れている古着屋の雰囲気は、ロックが好きなお姉さんは、洋服を見ながらハードロックの音楽で享受する。好みは万別。昔からある日本のことわざで蓼食う虫も好きずき。にがい草の蓼を好む虫もいる。

レトロな音楽を今の季節に聴きたくなるのは太陽の光のせい。

ストックホルムならば
セーデルマルムのレトロなカフェや古着屋さんなど70年代の香りがするお店が、時代がすぎてもまだある。地代が高くなってしまった街中のレトロな本屋やレコード屋さんが消え、いつの間にか今時のカフェや不動産屋になってしまったヴァサスタンの地域と違い、セーデルは、好きなお店を勝手にやっていますというスタイルが存在できる余地がある。

比較的若いカップルが住んでいる地区で20代や30代までシングルや結婚前の若いカップルが描くロマンチックな世界は、生活色にまみれてしまう現実的な地域より少し夢を見られる空間の雰囲気が町に漂っているのは、いい。

レトロな古本屋や昔からの雑貨屋が、ネットの中のお店になるのは便利だが、ちょっとつまらない。いつまでもソーホーのリサさんには、古着屋をやってほしいし、アンテックのお店も無くならないで欲しい。残念なのは、久しぶりに通りがかりのセーデルのSTOCKHOLMSTADSMISSIONのお店に入ったら、レトロな食器や雑貨が売られていず。



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Dionne Warwick
00:00:00 A House Is Not A Home
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01:03:24 Forever My Love
01:06:12 That's Not The Answer
by nyfiken | 2014-05-21 17:07