スウエーデンの面白いものたち


by nyfiken
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熱帯地域でデング熱にかかった時の体験

熱帯生活の中で、蚊が媒介するリスクのあるマラリアやデング熱の患者がたくさんいる地域に10年以上住んでいた経験のなかで、マラリアには運よくかからなかったが、デング熱病には2度もかかっている。マラリアは、熱帯の都市部からはなくなり、田舎のほうにあるが、デングだけは、熱帯の大都市で簡単にかかる。バンコクや、クアラルンプール、などなど。

熱帯の都市の古いタイヤやドラム缶などに発生する蚊が媒介する都会の熱病デング熱には、インフルエンザとは違う熱病。20代後半と30代最初の頃だが、普通の風邪やインフルエンザなどのことは、忘れても、デング熱が発症した時の苦しさは、忘れない。いわゆる東南アジアやアフリカの都市に行くとリスクはだれでもあるが、今回東京で患者が出たのは、どうしてなのだろうか。

日本ではなく、東南アジアの都市に暮らしていた時と、島に暮らしていた別々の時にかかったのだが、どちらも、たまたま一人家にいる時に、発症して、夜の間に高熱がでても、体調が悪くて、病院にも行けず(一人で車を運転して行けないくらい動けなくなる。)心細かった事を覚えている。どちらも、一週間で症状が改善されたが、その後体が弱ったような衰弱感はあった。

インドネシアでは、デング熱の他に、狂犬病の犬にかまれたかもしれない嫌疑により、最悪の場合を考えて、狂犬病ワクチンをおなか周りにぐるりと両肩が腫れ上がるくらいにワクチン注射を何度も打った。これも何回もワクチンを続けて打った人でなければわからない感覚かもしれない。注射の液が体内に入ると、体調がぐんと悪くなる。回を重ねると、液が入るだけで痛みが倍増するような感覚となる。副作用。めまいふらふら感や焦燥感などを覚えている。心臓がどきどきするとか、今思えば副作用だったのだろうか。

結局その小さな犬は狂犬病ではなかった。ワクチンを打った後は、副作用があり、人間がどんな感じになるか、歩いていても急にめまいがするとか、フラフラになる感覚を半年以上味わった。一年中日本の真夏より暑い赤道直下は、暑さで体力が消耗した。20代だからこそなんとか乗り越えた熱帯の病気。

デング熱でこれでいよいよだめ。と気が弱くなる熱病特有の高熱の病状がでた。熱帯の暮らしは、ゆっくりして楽しいが熱帯の病気を媒介する蚊がどこにでもいる限り、熱病にかかるリスクはあるのだと病気になってはじめて認識しても後の祭り。昨日まで同じ職場で元気に働いていた気立てのいい若い現地スタッフが仕事に来ないのでどうしたのかしらと心配していたら、マラリアで亡くなったと聞いてびっくりした経験もある。

デング熱の蚊は、マラリアの蚊と違い昼間にさされるという。普通に都市で生活していて、インフルエンザかしら?と経験したことのない頭痛と高熱、全身の倦怠感から筋肉痛、頭が10センチも上に上がらない状況となり、立ち上がってトイレに行く力も出ずの、高熱による壁つたいのつかまり歩きの状態となる。

デングの一番辛い時は、簡単に病院に行けない発症した夜中に、発展途上国で、たまたま一人でいる時の重篤な症状は、自分の中での不安と恐怖との戦いとなる。

国際電話で親に訴えて逆に遠くにいる親を悲しませることになる。神様に助けてと祈りながら、眠る。そういう時は、夜が暗く長くなる。

夜、電気をつけたまま、朝が来るのを待つ経験はだれにでもあるのではないだろうか。当時、家の後ろにお手伝いの人が住んでいた。朝に、家に来て、病気でふらふらになっている私を見て、氷でひやすべくタオルを何回も取り換えてくれたことやなにかおかゆを作っていただいたことを覚えている。電話により、デング熱であることが分かり、特効薬がないということも知り、休む以外に方法はなかった。赤い発疹が少しでて、食欲は3日なく、1週間後に少しずつ元気になる。

デング熱には4タイプがあるという。2度目の、別の熱帯の国では、ひどい状態だったのだが記憶がない。最初のほうが衝撃的だったので、デングと言われてあらあらという感じだった。パナドールを飲んだのは、アスピリン系を飲むと出血する可能性があるので、パナドールの薬を飲みなさいということだった。2回目がひどい症状になるという。最初の1度目の経験の記憶の感覚は、今でも覚えている。


デングは昼の活動の蚊が媒介するという。蚊にさされないように、長袖長ズボン、靴下で素足を出さないほうがいいが、ストッキングもさされるとなるとズボンをはく必要がある。虫よけスプレーかローションを露出部分に塗る。

マラリアやデング熱のある場所は、家の窓の網戸をきちんとする。蚊帳の中に眠る。蚊取り線香をつける。公園ならば、公衆トイレなどに蚊が潜んでいる可能性がある。10月ごろまで媒介蚊がいるというので、虫よけスプレーと蚊取り線香、網戸、お昼寝をする人で、網戸がなく窓を開けっぱなしの家では、天井から穴のあいていない蚊帳を吊り、布団の上に蚊がいることもあるので、蚊取り線香をつけるなどする.デング熱は、昼にでるので、ベンチで寝そべっているうちにかかるかもしれない。特に耳の部分にスプレーを忘れるので、ご注意。要するに、虫よけを塗って、蚊取り線香をたく。外を歩く時は、蚊がたくさんある茂みは、気を付ける。


アフリカのタンザニアから離れた島では、どこでも売っているだろうと思っていた
蚊取り線香が売っておらず、ゴキブリを殺す殺虫剤がホテルの部屋にまかれた。結果、アレルギーで咳がでた。熱帯に行くときには、蚊取り線香を必ず熱帯に持参する。虫よけスプレーと刺された場合にかゆみを抑えるクリームムヒ。ばい菌対策に、消毒用の日本マキュロン。蚊取り線香。4つが、私の熱帯暮らしを支えたもの。


タンザニアから船で行く島で、やはり網戸の一部が破れていた宿舎のトイレは、夜明かりをつけると蚊がはいってくる。暑い一日が終わり、シャワーを浴びた。バスルームで、蚊がたくさん飛んでいた。持参した蚊取り線香が少なく、(それ以来、必ずアフリカは蚊取り線香を準備していく)どこでも売られていないことが分かった段階で、残り少ない蚊取り線香をつけた。蚊がぷーんと音をたてて飛んでいるシャワールームで、貴重な日本からの蚊取り線香を小さく折って、マッチで火をつけ、片手で蚊取り線香を持ち、蚊をおいやり煙にまかせながら、隅に蚊取り線香をたいて、シャワーという器用なことをしたこともある。人間はいろいろなどたんばの知恵を働せるようにする。特にトイレに行く時は、発展途上国の未開な場所の宿舎などの網戸が往々にして破れて蚊が入ってくることがあるので、蚊取り線香を必ず持参してトイレとなった。

アフリカ人に教えていただいた蚊取り線香が必ずうっているはずのお店をのぞいても殺虫剤しか売っていない。蚊取り線香のひと巻きを3センチずつにちぎり、宿舎の寝室用と一回のトイレシャワーの使用中に使う分にちびちびとあてたこともある。一本の蚊取り線香だけでは、大きな空間だとシャワーを浴びているうちに、アフリカの建物の網戸の破れているところから侵入する。苦肉の策で、蚊取り線香の煙で蚊を追い払うように、廊下を歩く時もトイレに行くときも手に持ち歩くようにしたのは、ちょっと火災のメンで気を付ける必要がある。いずれにせよ見る人が見たら不思議な光景かもしれない。

デング熱騒動は、2回ともずいぶんと前の話で、熱病で辛かったという思いと熱、頭痛、筋肉痛に、パナドールを飲み、1週間ほどで知らないうちに治る。その後は、かかっていない。

今年の夏は、東京でも蚊にさされた。ストックホルムに帰ってから、特別に暑かったが、ストックホルムの都市の中心には窓をあけても東京ほど蚊がいない。東京は緑が多いので、蚊もたくさん出没する。熱帯夜に、窓を半分開けて眠った時は、寝ている間に随分蚊にさされ、東京の蚊も攻撃的と思ったもの。蚊取線香をうっかりつけなかったため。

南の島からオ-ストラリアの都市に到着着陸後に、ドアが空いて乗客が出る前にスチュワ-デスさんが殺虫剤のスプレーを機内の前から後ろまで散布したことがある。オーストラリアから飛行機が島に到着してから、乗客が座っている状態で殺虫剤が飛行機の中でしゅーと散布されたこともあった。

日本も、熱帯地方デング熱の流行地から来る飛行機には、到着後殺虫剤をスプレ-することや(ハンカチで口を抑える)逆の対策も―日本から出る飛行機も)必要となるのだろうか。日本の都市に住む青森県以南の蚊が媒介するならば、東京の空を飛ぶ蚊が100メートルしか飛ばないとしても、電車に入って移動するかもしれないし?発症中の人の血を吸った蚊が別の人後を移し、その人が移動することで範囲を広げることことは時間の問題であり、厄介な問題となる。もちろん一週間たって治った人の血を吸っても蚊は媒介とならない。発症中というのがポイントとなる。実際日本では、4種のデング熱のどのタイプが入って来たのだろうか。

デング熱で気を付けることは、頭がとても痛いので出血を誘発するようなアスピリン系バッファリンをいつも飲んでいるからといって勝手に飲まない。代わりにパナドール(発展途上国や島ではスーパーでもお店でも手に入るような薬)を飲む(熱をさますもの、筋肉痛など痛み頭痛の緩和)パナド-ル系は、胃にも優しいので発展途上国の熱帯では、よく飲まれていたお薬である。アスピリン系とは、日本でどこでも売っているバッファリンである。デングかどうかわからない時、頭痛がひどい時に、知らずにいつものバッファリンを飲む場合は、重篤になる可能性があるので、注意する。診断を待つ。日本では、すぐに病院に行く。高熱で、目が赤くなったりする場合は、特にバッファリンなどアスピリンを飲むと重篤化の危険があるので注意。


デング熱を媒介する蚊を都会で駆除するのに、住民全体のコミュニテイや町内会の努力も必要となる。ベランダにおいてある鉢植えを置く入れ物に水がたまっているところ。缶が捨てられているところにたまった水、古いタイヤの水。捨てられているビニール袋やごみ箱のふたのくぼみの水やごみ袋にたまった水などに小さな水の溜まっているところにですら、簡単に蚊が発生する。庭のすみや、ベランダにある水がたまるところなど蚊が繁殖するところは、水を捨てるなど、今後東京都の市民の努力も必要となる。

ワクチンはないが、私がかかった2度のデング熱は、A.B .C.Dというタイプのデング熱のうちの2種類にかかったということになる。Aの抗体ができ、Bの抗体ができたので今度はA.Bにはかからないが、CとDにたいしては、かかる可能性がある。もし4種類のデングにかかったら、もうかからないということになる。簡単にいうとAとBの抗体ができているからデング熱ABのワクチンを打ったようなもの。と考えられる。



東京で起きた今回の騒動の、デング熱の流行が約70年ぶりの騒動、一体何を意味しているのだろうか。
by nyfiken | 2014-09-05 10:20