スウエーデンの面白いものたち


by nyfiken
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アフリカ大陸から愛をこめて

ストックホルムのアーランダ空港を飛び立ちスイスのチューリッヒ経由でアフリカのタンザニアへ。ダルサレムから船で3時間近く。インド洋に浮かぶ島ザンジバールへ来ている。

夏の北半球と違い南半球は今は涼しい。といっても赤道に近いアフリカの国は、常夏の熱帯の島。

ザンジバール。中国人や日本人など東洋人が当然少ない。インド人、アフリカ人、アラブ人。中国人は思ったよりみかけない。スルタンがからすを2わインドから持ってきた。もともとアフリカにいなかったアジアの黒いカラス(よくみるとクビがグレー)ふえて、ザンジバールの島、はては海をこえたアフリカ大陸のダルサレムまで。白砂の美しい海に似つかわしくない黒いからす。海のみえるホテルのレストランのボーイが話をしてくれた。からすはあたまがいい。日本にもたくさんいるのよ。インドからきたのは、なにもインド商人ばかりじゃない。スルタン王様が持ってきたカラス。繁殖力を思う。まるで人間のアダムとイブみたいだ。


ダルサレム空港税でいちばん高い入国税を払わされるのがパキスタン人だ。つぎがアメリカ人。最近増えているアメリカ人ツーリストということなのだろうか。パキスタン人はお金もちの商人だからだろうか。アフリカにきて、すっかりヨーロッパにいるときと、常識が違う。

スウェーデンではあんなに移民として苦労しているアラブ人は、ここではいばっている。1000年以上も前にペルシャ今のイランから移住してきたアラブ人が特権階級をつくり、土地所有者としてスルタン王様として牛耳ってきた。交易でゴア商人がきて、スパイスなどをインドへ送る交易で巨額の富を作る。スパイスアイランドとはこの島を言ったのだ。インドのカレーのスパイスのルーツはここアフリカのザンジバールから古くは船でインド洋を渡り、東南アジアへ。


末裔が今もスルタンの末裔として、大手をふってザンジバールにいる。大きな家が建ち並ぶ。タンザニア一の商人はインド商人で、政府の前の大統領の政商として巨額の富を。最初の数日宿泊した部屋は、高級住宅地といわれる大統領の家と目と鼻の先だ。高い白い塀。門の両脇には濃いピンクや淡いピンクやオレンジ色のブーゲンビリアの花。街の中の小さな家とは作りが違う特権階級の人々の住む場所。となりに8階建ての大きな家。ダレも住んでいない。カラスが飛んできては夜に色っぽい声でなく。タンザニア一の金持ちが建てた使っていない大きなアパートは、カラのまま。


すぐそばに、昔のスルタン王族が住んでいた王宮の廃墟。同じ敷地に廃墟ホテルruinhotelという名前のホテルがある。高台にバルコニーを。そこから大海原がみわあせ、プール、目の前に白砂のビーチ。冷えたワインやきりりとしたタンザニアで今いちばん人気のキリマンジェロビールがのめる。一冊の本を手にした西洋人。太ったアメリカ人。旅にいってなにをするか。一生懸命バザールや村を歩き回る人間。ホテルのプールでおよぎ、本をよみ、ビーチに寝そべるひと。わたしは、現地のひととおしゃべりをするのが好きだ。市場をあるいたり、あやしいお店をのぞく。スパイスの香りに酔う。


ストックホルムのアフロインデイアショップがドロッテインガタン通りのすぐそばにある。アフリカ人ごようたつのお店だが、ちょくちょくわたしはスパイスをそのみせ買いににいく。イギリスにジャマイカ人アフリカ人がたくさん住んでいるが、彼らの御用達のお店も街に必ずある。そういった店で売っているスパイスはアフリカのこの辺がもともとのルーツだ。


ザンジバールで気に入ったお店はバザールのなかの、シーツを売っているお店だ。中国人はお店の店主にひとりとしてみかけないのに、中国製のシーツが売っている。上海ブランドのコットンシーツ。刺繍がしてあって、色がいい。トルコブルー。ピンクのきれいなクジャクの刺繍。枕カバー2枚、シーツで1000円弱。安い。ペットボトルが150円が大きいボトル。ビールはひとびん300円。値段はスウェーデンの枕カバーでワンセットだ。シーツは好き好きがあるが、わたしは、上海のブランドがお気に入りだ。上海で以前みかけたものと同じものを、アフリカでようやく見つける。



頭にかぶるショールのお店もいろとりどり。アラブ系の女性が結婚式に競って色や柄をこれみよがしに着るという布のお店。彼らはきらきらものが好き。黒いベールでも裾に金や銀の刺繍がしてある。もちろん結婚式は黒はだめ。目だけだす顔をカバーするものもある。エキゾチックでちょっと色気があるといったら不思議だが、肌をまるだしにして、ぶよぶよした太ったおばさんは、西洋人のおでぶさんは色っぽく見えない。布で覆った姿は、不思議に後ろから見ると色気がある。お祈りをするときには、必ずベールをまとう。アフリカの金持ちのおばさんは、太っている。恰幅のいい女性は地位も高いし裕福だ。本物の金の価値が高い。黒い服の差は身につける金で戦うという。奥の深いアラブ系の女性の心理。千夜一夜物語をザンジバールで思いだす。


街をあるいていたら、シースルーの黒い布から見えた。中の洋服やブラジャーまでちらりとみえた若い女性もいた。下着やにはtバッグが多い。不思議に下着のシースルーも多い。



為政者のアラブ人。ストックホルムで苦労しながらバスの運転手をしている元クラスメートのインド人の知り合いを思う。このアフリカの地では大手をふって歩くインド人だ。ホテルのマネーージャーでアフリカの従業員をかげでしかりつけているインド系のマネージャー。ここでは、インド系やアラブ系がとっても威張っている。

白人の旅行者は、いるが、なんだか黒人の中にいると毛をむしられたかわいそうなそばかすだらけのよわよわしい動物にみえるのはどうしてだろう。マサイの立派な男らしい姿のよこに、おなかをだしたぶよぶよの旅行者のおじさんが立った。マサイの若いおにいさんのりりしい姿。かっこいい。ぶよぶよ白人でぶっちょおじさんは、なさけない。マサイはマクドのハンバーガーなんて食べない。子供がまだ幼稚園くらいなのに、太りすぎたアメリカの白人ママも、Tシャツから肉がはみでて、胸が下までたれさがり美しく見えない。北欧にいるときとアフリカでは、色彩、洋服の色。すべてが違う。



アフリカは広いから、一口でいえない。アジアとひとことでかたずけられないのと似ている。タンザニアはキリマンジェロ、マサイ族。ナショナルパークとサファリ。世界遺産がたくさんある。美しいインド洋に面した青い海。cnnが力をいれて今アメリカ人旅行客のザンジバール旅行を宣伝している。世界のケンピンスキーホテルもある。ホテルは、食事が美味しい。市場の野菜果物魚にいたるまで、新鮮で種類がほうふだ。もちろんスパイスアイランドが観光のめだまになるくらいスパイスは売られている。丁字がたくさんとれるという。


混沌とした市場。アラブの黒い布をあたまからすっぽりかぶる女性。中には顔を覆い目だけだしている。そのとなりですけすけの下着を売っている。モスリムのモスクからはお祈り。キリスト教もいるがこのザンジバールは少ないという。

いすらむの人に妻を4人まで宗教的に結婚ができますかときくと、もちろんと答える。スウェーデンのフェミニズムが通用しない世界だ。ポリガミとは違う。

アフリカ人の目線はまっすぐだ。ヨーロッパ人にはないお節介な、よい意味での親切な気持ちがアジア人と共通している。スワヒリ語はきてまもないのに、なんとなくおぼえてしまいそうだ。日本人にとってここの言語は、あかちゃんのように繰り返すと通じる。マンボー、ジャンボー。カリブー、アサンテサナー、カリブサーナー、マンボー、ポーあー。
覚えようとしなくても、口についてでてくるのは、アフリカの人がスワヒリ語を一生懸命教えようとするからかもしれない。なぜか日本人はみんなスワヒリ語が上手になるよ。なんたるスウェーデン語との違い。

ザンジバール。とおくからモスクのお祈りのおとが音楽のように聞こえてくる。男達のコットンの白い長いドレス。刺繍のはいったモスリムの帽子。女性の布。やしの木が風でゆっくりとゆれる。海は薄ブルーと青。しましまになっている。魚をつるちいさな小舟。帆をかけたちいさな釣り船。

タンザニアのひとたちは、偉く働き者のようだ。ゆっくりはしているが、彼らはよく働いている。スルタンの廃墟。オールドタウンの迷路を歩く黒い布を巻いた女性たち。


スパイスルーツ。ここからスパイスはゴアの商人やペルシャの商人の手で、交易船で運ばれた。

目だけだして歩く女性。黒ずくめと思いきや頭はピンクのベール。上から顔に黒い布を。マサイ族を生まれて初めてみた。スリムで黒いひきしまった体。dnaを思う。ミルクと血を混ぜたものを飲むマサイ。マサイの肉は腐りにくい。と昔アフリカの田舎に住んでいた知り合いの日本人が行っていた。彼女はマサイの村まで車を数時間飛ばして買いに行った。日本に帰国した折にあったその時の話でおぼえている。

マサイのお兄さんにきく。どうしてマサイの肉はおいしくて腐りにくいの?おにいさんは、タンザニアのスワヒリ語で通訳のタンザニア人の知り合いにいう。”ああー。それは肉を太陽にかわかすから?表面は乾いていて、それは生でも食べられます。”青と赤の布をまとったマサイ族のおにいさんの胸にビーズ。布を2枚。もうひとりのおにいさんは布を4枚。マサイはキリマンジェロの近くにいるが、ザンジバールまでは出稼ぎ。奥さんはふたり。なるほど。酋長はもっと奥さんをもてるよ。目をしっかりと大きく開いていう。疑問はない。”だって、最初子供を3,4人生んだら女の人は、体の線がくずれてぶよぶよになるでしょ。そうしたら今度はもっと若い女をめとるんだ。”マサイのおにいさんは、テレながら言った。

イスラムの女性は、4人だから、競争も激しいのよ。表だっては仲良くしているけどね。気が抜けないわよ。うーん。男のようになったスウェーデン女とアフリカの女達。極端から極端の世界にきて、大和撫子のわたしは頭がくらくらする。男のようにかりあげて、男女平等!とこぶしをあげるスウェーデンのフェミニスト党の党首がきたら、どうなるのだろう。ふん、と鼻でせせらわらうのだろうか。いや、彼女たちは、実は女性も男性をなんにんももてるといった逆モスリム方式(女だって4人夫がもつべき?)といったことを公で発言してひんしゅくをかったとかかわないとか言う話があるが、男女平等なら、男が4人妻をめとれるなら女だって、同じ。ということを理論的にいうのは、スウェーデンフェミニズムの一部の声であることは、まちがいがない。


マサイのおにいさんが売っているビーズでブルーと薄いブルーの2色のくびかざりがきれいだった。ブルーのところどころにピンクのいろも。センスがいい。


ザンジバールから愛をこめて。ありがとうは、アサンテ、どういたしまして。カリブ。アサンテさー
なはどうもありがとう。丁寧語もある。スワヒリ語は、日本人の耳にはなんだか心地よい。ヴァイキングの言葉のほうがずっと日本人には異邦人の言葉に聞こえるのはどうしてだろう。マンボーと道行く人が声をかける。わたしは、ポーアーと答える。むかしマンボーマンボーといった古い日本のアフリカを歌った歌があったような気もする。


ポルトガル16,17世紀、アラブ人支配、インド人商人、そして現代史ドイツの東アフリカ会社、それからイギリスの植民地支配。独立、共産主義を経て今のタンザニア。いずれにしてもアラブの色が濃い。と書いていたら、窓のそとで日本語が”バックしますーバックしますー”車のバックの時の自動音声が。日本人の姿はなし。トヨタのワゴン車。運転しているのはタンザニア人だ。日本からインド洋を越えてアフリカまで運ばれてきたにこにこクリーニングの車。オーナーがみたら感動するだろう。しっかりアフリカで車は大事に使われて活躍している。本当のリサイクルだ。

まるまる自動車学校。木の葉幼稚園。にこにこクリーニング。介護デイセンター。スキューバダイビング教室。街の市場バザールに行ったときに、マイクロバスは日本語のオンパレード。中古といっても新車同様でみためがとてもきれいだ。10年以内の比較的新しい中古車のみアフリカに輸出されるという噂は本当だ。ドバイまで船で。アフリカ大陸の道を運ばれてくるという噂は現地できくと本当のようだ。



ザンジバールの港に停泊する東海汽船シーリガルもちろんアフリカで第2の人生を退職後過ごしている。きれいにメインテインされている。。アフリカの車の多くは日本の車。トヨタが圧倒的に多い。街がフレンドリーに見えるのがそのせいだ。田舎の日本の小さな村にきているような錯覚。日本語の看板だらけの中古車を横目に街を歩く。なぜかほっとする。スウェーデンには時々しかみかけない日本車。スウェーデン人が乗っている日本車よりアフリカの人たちが乗っている日本車のほうが新しかったりする。タンザニアでは、トヨタの信頼が大きい。日本企業もがんばっている。地道な努力が実をむすぶ。ということばがなぜか頭にうかぶ。


焼鳥や炭焼きの串にさした味のついた牛肉のジューシーでやわらかくて美味しい肉。肉は肉の味がして、魚は魚の味がする。アフリカは貧しい。でも冷蔵庫がないところではとれたてのものを食べられる。レモンはすぐに悪くなる。果物は日持ちがしない。マンゴーの皮から蜜がながれている。バナナは甘い。ココナッツジュースはおいしい。

エコは、アフリカの大地にちゃんとあった。やしの実を上手にナイフで削って中のココナツの実をくりぬいてたべやすいようにきった。ココナツの中の水をのんだあとは、外の皮を切ってスプーンみたいにつけてくれたのをそのまま使って食べる。プラスチックなどいらない世界。アフリカの大地に学ぶ。手慣れたてつきでココナツの皮をむいて、外の皮で素敵なスプーンをシンプルに切って中につけてくれる。エコはアフリカ人の生活の中に既に存在している。スタバのプラスチックのコーヒースプーンなどここには存在しない。旅をすると小さなことに感動するものだ。
by nyfiken | 2008-07-17 19:07