スウエーデンの面白いものたち


by nyfiken
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日本のコンビニ売り上げ上昇に思う

日本のコンビニの売り上げ増加の原因。首都圏などの成人認識カードを導入したたばこ自動販売機のある地区に顕著というニュースをネットニュースで読む。セブンイレブンもローソンも猛暑による冷たい飲み物などの売り上げ増は別にして、未成年にたばこを売るー儲けたら、細かいことはいいなさんな。儲けることが大事なんや!ーといった法の間をくぐりぬけるような無責任な経営方針に、私個人、納得がいかない。儲けることに魂を売るビジネスの節操のない民度の低さに、あきれてものがいえない。とても恥ずかしいニュースがあたりまえに流される不思議をスウェーデンで思う。


コンビニの売り上げ上昇に大きく寄与するたばこの未成年者への売り上げ増。コンビニでいっしょうけんめい24時間時間をとわずバイトしている青少年、おばさん、おねえさんたちの給料がこれでちょっとあがったらいいのだが、問題は、どうして今の時期にコンビニの売り上げが急に首都圏を中心に伸びたかということだ。

2003年に就任された、世界保健機構代表の故李鐘郁博士は、古くからの知りあいである。周囲の人間にとても気を使われる温かいお人柄が偲ばれる。2006年5月22日月曜日に年次の世界会議が始まる当日の朝に亡くなられた。あとで知ったことだが、開催のスピーチをする数時間まえという。亡くなられてから、しばらくして、なぜか、夢にでてらした。


スイスの森と思われる木々の間に枯葉が舞い散る向こう側でスピーチをされている姿の夢であった。夢の中でも冗談を言ってらっしゃる。聞いているひとを笑わせている。ーみなさん、過ぎてしまえば、悲しいしいことなど、なにもないのですよ。全て宇宙の歴史一瞬のことなのです。くよくよと思い煩わずに、さあみんなで思いっきり大きな声をだして笑いましょう。という声をはっきりと聞く。そのあと木の周りに黄色に敷き詰められた枯葉が風に舞った。他の人の姿は見えなかったが、声がはっきりと聞こえた。また森の中でのスピーチをするお姿は、上半身のみが見えた。遠くの高い壇上で演説されている姿。思わずつられて、声をだして笑いながら、夢から目をさました。不思議な夢だった。その日アパートをでたら、庭の芝生の上の葉が不思議に風で舞った。夢と同じような光景。世界中の知人や友人、仕事で関わった人々のうちで、同様な夢を見た人がいるかもしれない。お盆に急に思い出すのは、また不思議なものである。

たばこの禁煙運動にエイズ、マラリア、感染症ポリオ撲滅、SARS, 鳥インフルエンザなど山積みの問題に、先生は、全力でぶつかっていった。1948年WHOが始まって以来の東洋人として日本人に続いて、二人目の代表。北京オリンピックを禁煙オリンピックにしようと生前、世界に向かってよびかけた。今、以前のように、特別オリンピック期間の禁煙キャンペーンをあまり聞かないのはどうしたことなのだろうか。

2006年に、韓国のSBS放送のスポーツ中継のアナウンサーがたばこを吸いながら中継したことで韓国中の論議をかもしだしたことがある。韓国の中央日報では、論議にいろいろな書き込みがあった。そのなかでとりわけ、太田国立墓地に眠っていらっしゃる李博士が、墓場で嘆いているでしょう。といった文に、特別心がうたれた。公衆衛生の見地から、世界中で高まりつつあったはずのWHOの故李博士が生きていた頃の禁煙運動は、今は、いったいどこへいってしまったのだろう。国立墓地で本当に、がっかりと嘆いている先生の声が聞こえてきそうだ。先生の霊がお盆にわたしごときにこの文章を書かせているとしか思えない。


日本のコンビニの売り上げに喜びの声をあげている理由が哀しすぎる。たばこを未成年に売って平気な企業の姿勢は、やはり改められるべきだ。体にいい健康食お弁当を売り物にする同じコンビニが未成年へ売るたばこで儲けるのは、いかがなものだろう。


日本のコンビニの大手ローソンもセブンイレブンもたばこを未成年に売り続けることの矛盾。チェーン店ですから。そこのお店の責任です。儲けることに、理由はなんでもいいということは、許されるものではない。日本の厚生関係者の行政的指導を問う。


エコやクリーンといった言葉だけが観念的に一人歩きしている。学校教育、社会や家庭の中で、どのように子供達の健康を考えていくのか。予防医学は、将来の日本の医療費、保険費の削減に大きく寄与する。企業が近視眼的に、隙間をねらって、今日の利益に走る姿は、見苦しいだけではない。将来に大きなつけが回ってくる。国民の健康問題は、日本の国の財政問題だ。

たばこの喫煙率の若年層への増加は、将来の病気の種を蒔く。その医療費の増大は、国民の税金に跳ね返る。日本人が、今後世界で、アル程度の生活レベルを老後まで維持するためには、今の若い人たちが、元気で一生働ける健康であることが必要条件であるのは、周知の事実だ。健康な日本食を祖先が我々に伝えて、恩恵を十分に受けてきた。あとは、どうやって日本人労働者がストレスを感じることなく、気持ちよく気分よく仕事ができるか。ストレスを抱えた人々の心をほぐすもの。喫煙に頼らないかわりのもの。気分のよい環境作りが、日本経済の発展に寄与するはずだ。



全てのレストランやバー、建物の中からたばこの喫煙を閉め出したスウェーデンは、もともと喫煙率が高い国であった。制度的に、規制することで、きれいな空気で食事ができる環境を作っている。

語学の先生が、面白いことを言っていた。70年代まだ高校生の頃の話。スウェーデンの学校の中で、たばこをみんな吸っていたという。生徒も先生も。あれは、いったいなんだったのでしょうね。と先生がクビを自分でかしげる。灰皿が、学校の廊下にあって、学生と先生が一緒に自由という名の下に吸っていたという。70年代の海外映画をみると、映画の中でたばこをすぱすぱ吸うシーンが多い。その後、肺ガンや発ガンのリスクが、本人ならず周囲の人間に及ぼす影響で問題になる。


フランスもようやくレストランからたばこが閉め出された。日本もたばこを吸う場所が限定される駅構内など努力がみえる。数年まえのパリは、女性のたばこを吸う人が多かった。パリのベトナム料理店は、料理が美味しかったが、隣に座った大学生のパリジェンヌが、ひっきりなしに、食事中たばこを吸っていた。

故李先生が生きていらしたら、日本のコンビニの膨大な売り上げの伸びの理由がたばこと聞いてがっかりなさるだろう。スウェーデンには、他の国で禁止されているSNUSというパウダー状のかみたばこがある。健康にはなんらかの害があるとされ、発ガンのリスクをクリアできずに、1992年EU諸国からしめだされた。ただし、スイスに事務局をもつEFTA(EUROPEAN FREE TRADE ASSOCIATION)スイス、リヒテンシュタイン、アイスランド、ノルウェー、とスウェーデンだけは、特別に許可がおりている。。他のひとに普通のたばこの煙ほど害は与えない自己責任の代物である。まったくスウェーデンらしい。発ガン性のリスクに対する論文などを掲載されるなど、最近の論議は別れる。


上の唇の下側と歯茎の間にはさめるものだが、黒い靴のクリームみたいな丸い容器に入っている。横目で観察した限りだが。スウェーデンの男性が、食事がおわったあとに、おもむろにポケットからとりだし、ふたをあける。じっと観察していると、片手で器用につまんで、二つの指でつぶしてまとめ、歯茎の裏に素早くしのばせる。歯茎ががちょっとふくらむ。

日本人なら、下痢のお薬。富山の正露丸の黒い丸い粒。歯がいたいときにも、応急措置で丸めて歯茎につけてくださいという注意書きをイメージするとわかりやすい。。正露丸のような触感なのだろうか。カフェやレストランで時々みかける光景だ。もし、スウェーデンの男のひとの歯茎の一部がふくらんでいたら、それはSNUSという黒いかみたばこが、口の中にあると思うと良い。スウェーデン人の約10数パーセントのひとが、snusを常用するが、たばこの煙による肺ガンの死亡率よりも、低いことから、禁煙ができない人の、吸うたばこの変わりになりうるということもいわれてはいる。科学的なはっきりとした、根拠や裏付けがないという。


SNUSを口にいれる様子は、われわれにとって、少々なぜか卑猥に見える。見てはいけないものをみてしまったような感覚といったら、正しいかもしれない。あら、この人もSNUSをするのね。という感覚。ヴァイキングの男達は、カミたばこで悦にひたる。経験がないポルトガル人男性がためしたら、ワインを飲んだあとに、悪酔いしてめまいと吐き気を感じ苦しんだという。舌ガンの危険性も指摘されているが、定かではない。スウェーデンのスーパーのレジ近くに、いろいろな靴のクリームににた写真のカードがありおのおの名前がついている。カードを買って、お店のなかの自動販売機で買う人も多い。大学生の女性でも、SNUSをするスウェーデンの女の子もいるが、あまりポピュラーではない。少なくても良家の子女には勧められない代物である。


かみたばこを最初に販売してストックホルムの郊外に城を建てた創業者のお城で、晩秋あるパーテイが開催されて、食事をしたことがある。今はホテルとレストランになっている.。お城は、贅の限りを尽くしたものであった。たばこは、儲ける。中国には、他のたばこの値段の10倍もする高級たばこ中華が昔からある。箱をちらりと見せびらかしながら、吸う男達。中国では、たばこを一本ずつまわりのひとにあげるのが、ひとつの礼儀だ。さて、北京オリンピックは禁煙オリンピックになったのだろうか。そういったニュースは今はどこからも聞こえてこない。

ある知人が面白いことをいっていた。子供の頃、9歳に満たない時、興味本位で、隠れてたばこを吸おうとした。父親にみつかった。父親が、たばこをもってきて、これを全部吸いなさいといったという。次々と火をつけて吸ったら、めまいがして吐き気がした。はいても、父親はもっと吸いたければ吸いなさいったという。”パパ。気持ちが悪くてもう吸えないよ。”それ以来たばこをみるのもいやになったという。一生たばこが吸えないという。昔の父親像。荒治療だが、心を鬼にしてしつけをした当時の父親像が見える。

若い頃は、いつまでも自分が健康で元気だと思う。きれいに生んでくれた健康な体をくれた神様や親に感謝することもなく、自分勝手に生きる。そんなこといったって、長生きしているあのおじいさん、カフェでおいししそうにたばこをすぱすぱ吸っているじゃない。という人もいる。その人は例外かもしれない。

知り合いの女医は、開業しているが、たばこを吸わず無農薬野菜と果物をたっぷりといただいて、健康おたくだった。学校医としても忙しい日々の中、学校検診を数百人連続して担当した直後倒れ、その後肺ガンと診断されて、ショックだったという。

わたくしは、一生に一度たりとしてたばこを吸ったことがないのですよ。健康に気をつけて、食事もバランスよくとってきたのです。たばこなど、煙ですらいやなのに。どうして私が肺ガンに。遺伝でしょうか。いえ、もし健康おたくじゃなければ、60過ぎまで健康で生きられなかったかもしれないですね。寿命を精一杯生きてこられたのは、健康に気をつけてきたからです。という言葉が印象的である。

もちろん今も、ガンは治らないが、治療をうけ、そして、手術後、リハビリをしながらも、診療を続けていらっしゃる。その先生いわく、わたくしの母も女医でしたが、80前に開業の医者の仕事をやめてから、すぐにぼけたのです。15年ぼけ続けてそして亡くなりました。周りがとっても大変だったのです。わたくしは、母のようにまでして、生きたくないのですよ。10代の若い人たちには、あまりピントこない話かもしれない。

100歳以上の長寿のひとのテレビインタビューで驚いたこともある。長生きの秘訣は?日本酒をご飯にかけています。これが、わたしの健康法。あと黒ごまペーストをたっぷりと塗ったトーストです。100歳すぎても、黒い毛がちゃんといろいろなところからはえてくるんですよ。ほっほっ。
うーんとうなる。

いずれにしても、10代の若者の心はガラス細工のように、砕けやすい。ストレスの多い時代に生きる子供達。コンビニが、ほっとする、明るい涼しい夏のオアシスになりつつあるのは、実に日本的である。だれか、ニコチンのない健康たばこを作ることができないのだろうか。

と書いていたら、毎日新聞の8月11日関西版でのあるおもしろい記事をみつけた。

倭村英敏氏(ライターオフィスクリオ所属)の書かれた記事によると、日本人の成人男性2016万人の40パーセント以上が喫煙。先進国男性で喫煙率の高い数字という。欧米の2倍近い数の喫煙率。お隣韓国では、杜仲(漢方薬にも使われる)の葉をたばこの形状にして、吸う禁煙草があると記事の中で述べている。日本では薬奏CD禁煙が、ストレスを抱えた禁煙車の心をほぐすサブリミナル効果を秘めた音楽という評判で話題を呼んでいるとの指摘は、なかなか興味深い。

中国の禁煙の鍼、耳鍼などは、それを世界で商売としている人もいる。ノルウェーのオスロにはそれだけで、大繁盛しているノルウェー人のハリ専門家がいるという。実際、上海の専門家の先生によると、そんなに単純ではないという。もっとも心理的なことが影響するようだ。

1800年代のアヘン戦争を思う。人民をアヘン中毒にして中国のお茶などの産物を輸出したイギリス商人を怒った中国人。イギリスは、当時お茶の輸入で貿易黒字がでた中国を、廃人同様にするアヘンを代りに輸出することを思いついた。怒ってイギリス商人からアヘンを取り上げたら、戦争をしかけたイギリス。

わずか150年ほどまえのこと。インドに工業製品を輸出したイギリスが、インドでアヘンを栽培させ、中国のお茶の対価とした。3角貿易は、昔学校で習った通りである。南京を不意にせめて、開国を迫り、香港を手に入れた。イギリスが香港を手に入れた原因がアヘンというのだから、あきれてものがいえない。今ならスウェーデンのオンブズマンがイギリスの会社や国を相手に怒るであろう。しかし、007の映画同様、デプロマットは、得てして007なのだ。きれいごとだけでは、あの仕事は決してつかまりそうもない。

欧米がいかに植民地政策で潤ったかは、東インド会社を表舞台に、国が後ろであやつっていたイギリスの繁栄の歴史は、ロンドンの街を歩くとわかる。あれから時代が流れて、オリンピック開催となった。さて、禁煙オリンピック北京は、本当に実行されているのだろうか。
by nyfiken | 2008-08-20 23:20