スウエーデンの面白いものたち


by nyfiken
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スウェーデンのラップ音楽”ママ”と”パパ”の歌。Swedish rap "Pappa"and Mamma"songs

スウェーデンの人気のラップ音楽。ラップ音楽だけを聞いているわけではないが、スウェーデン語の詩を読む感覚で聞くと、いろいろなメッセージが伝わってくる。いえることは、国が違っても言葉が違っても、情や感情や親に対する情感はおなじということ。


普通の高校生や中学生が聞く、愛や悲しみや色々な心の歌。売るために書かれた曲というよりは、むしろ普通の10代の声がヴィデオクリップやあるいは、スウェーデンのYOUTUBEを通じて人気がでてくる。女の子が書いたMAMMAの曲。ラップといっても歌う詩を曲にのせたもの。と考えるとシンプル。Sofijah "Mamma"



次は、移民の子供達がスウェーデンに苦労して生活をし、子供を育てるお父さんやお母さんの事を歌った歌。あるいは、家族のラップ音楽などに涙がぽろり。病気に倒れた母親を思う歌。異国スウェーデンに移民として渡ってきた両親。中でもとりわけ苦労して子供を外国で育て病に倒れた母親のことを歌った”MAMMA"心にぐっとくる。


ラップの詩がせつない。9歳の時に、母親が余命2年の病に倒れたその時の心情を歌ったもの。ラップ音楽は奥が深い。現代の詩。スウェーデンの色々な移民の側面が見えてくる。Ken Ring "Mamma"Oh Mamma Jag saknar dig ..Oh mam, I miss you so much.”ママ、この世にいなくて、さびしい。”と歌っている。ラップ音楽の詩には、今の現代のいろいろな問題や考えが表現される。

スウェーデンは、移民問題には国中でとりこみ、冷たいデンマークと違って国で受け入れている国家。スウェーデン人として育つ子供達。慣れない新しい国でいちから言葉を覚えて、生活習慣も季候も違う北の大地でたくましくいきる移民。戦争難民。経済難民。言葉をおぼえることが、まずその第一歩。もしことばを理解しなければ、いつまでもお客さんで旅人であり、スウェーデンは、つかの間の宿の場所でしかありえないだろう。お客様気分は時には居心地は悪くはないが、一歩間違えると蚊帳の外。疎外感となる。



パパの歌。LILLEMAN-Vart tog papa vagen?”パパ、どこへ行ってしまったの?”Kan du komma hem?Can you come back home?VIvanter pa dig.We are waiting for you.

パパ家に帰ってくるんでしょう?待っているから。この歌では、子供のときに、お酒浸りで母親に暴力をふるった父のことが描かれている。けんかがたえず、いがみ合う両親をみて育つスウェーデンのこどもの存在。”父親が出て行った。ぼくは、おとうさんのむすこだよ。おとうさん、帰ってくるの?”待っているこどもの頃の気持ちを描いたもの。歌の中で、”1986年に生まれた。”子供時代を回顧している。暴力を母親にふるっていた悪い父親でも、恋しく思う小さな子供の心。なんだか哀しくなってくる。お酒浸りの父親が母親といがみあう姿を見ながら、育った小さな子供時代がえがかれている。

”誕生日のケーキで祝ってくれた両親のこと。人生がうまくいかない父親の姿。疲れた母親の姿。けんか。暴力をふるう父親や酒浸りの父をにくしみながら、それでも父を待つ複雑な子供時代の心。妹が小さい頃の思い出など。”

画面からもみられる。ぼくたちは、それでもそんなパパでも待っていた。というのがけなげで哀しい。

現代の両親の不仲で悩む子供達は、北欧デンマーク、スウェーデンも例外ではない。シングルマザーやシングルファザーも多いし、再婚あるいは両親ともに新しいパートナーと同居。いったりきたりの両方に新しい異母異父兄弟。そのなかで居場所がないこともたちの姿も。


発展途上国から子供達を養子に迎えるスウェーデン。その一方で自分達の結婚やパートナーとの不仲で簡単に別れる北欧のカップル達の矛盾する姿。北欧では、残念ながら、子供は親のかすがいにならなくなりつつある。血がつながっていない中国の子供をかわいがって育てる両親がいるその一方で、本当の両親に捨てられた孤児院施設に行くスウェーデンの子供達の存在は矛盾に満ちているが、現実である。

北欧わびさびラップ音楽。今のスウェーデンの一部現実をうつしだしている。渋くて苦い。



追記ー次にスウェーデンの子供をとりまく状況と問題。カップルの結婚などの考え方やスウェーデン男性の考え方、あるいは簡単な日本と違う家庭経済状況など。雑感。少し話が脱線するが、思い出した話をそのまま。忘備録。

スウェーデンの新聞11月13日付けSVENSKA DABLADETの6ページの記事によると
スウェーデンのセイブザチュルドレン子供を救う会Rädda Barnenの報告.過去一年の間に6歳以下の子供に対する暴力が26パーセント増えている.統計は、恐れるべく異常な数字であると警告している。スウェーデンのみならず、ヨーロッパ世界的な傾向とみられる。

複雑化する家庭や経済の状況。背景にあるのは、経済だけの問題ではなさそうだ。スウェーデン語のサンボは同居の意味。日本の戸籍が汚れるという言葉など北欧では死語に近い。結婚しても姓を変えないカップルも多い。子供が3人いても結婚しないカップルもいる。子供ができたことで結婚を決意することにはならないという統計をみてびっくりする我々日本人。パートナーはサンボでも結婚でも同じ扱いで差別は許されない。大金持ちの階級には、夫婦お互いにガールフレンドボーイフレンドなど公認がいたり、北欧リベラルな風紀は、日本におけるお忍びとはまた違う。いやになると別れるが、それでも結婚をしていても別居している60代が案外多い。60年代70年代に自由な時代に生きてきたリベラルな60代半ばの人たちの、昔を懐かしむ声はスウェーデンのあちこちから聞こえてくる。美しき青春!といった。

スウェーデンのちまたの声で思い出した。1950年代のメードインジャパンのひどさ?とスウェーデン人の口からよく出る話。メードインジャパンは戦後の大変な時代、安かろう悪かろうで海外に安い物をつくって輸出した。今でこそメードインジャパンは、戦後50年以上の先人の努力でここまできたが。。今のカネボーインターナショナルの努力と挑戦、ここ一年の間の変わり方。海外での売り方は、日本国内と違う大変さがあるが、品質を売りにすることは、評価したい。上品な色気をどうやってだすか。お化粧品のファウンデーションの品質の良さは、肌がきれいにみえるなど、スウェーデンでももっと宣伝してもいいはず。口紅など。

1950年代スウェーデンやヨーローパに入ってきた日本の衣類など着られるものでなくぺらぺらですぐにだめになるものだった。という。スウェーデン人が、いかにメードインジャパンがひどかったかと当時を知る人ははっきりという。私自身は、それは安いものを作ってくれという欧米のリクエストによるものでは?と反論するが事実である。森花恵の講演会を聴いたときに、ニューヨークで戦後日本製の洋服を輸出していて、アメリカでそれを手にして、あまりにもできがひどくて、がっかりし、恥ずかしいとすら思い、なんとかメードインジャパンを世界の一流にしたい。と思ったのがデザインへの道。ということを話されていたことを思い出す。


さて、スウェーデン男性の自立について。女性の自立は男性の自立を促すのは、男女平等が進んでいる北欧に住んでひしひしと感じる。家事は未だに女性の大きな負担であるのは、世界共通。いくら女性が平等といっても。子供のご飯離乳食や家の食事を作るメインの人間は女性。働いて買い物をして帰り、家計費もいれて、そして家のことをする。女性への負担は、世界的に大きくのしかかってくる。同じ教育をうけ同じ会社で働いても男性より女性の給与が低いのは、北欧もアメリカでも同様。だから女性達は、男女差があることに矛盾を感じる。税金が高い北欧では25パーセントの消費税では、男女共稼ぎでなければ、暮らせないし、女性も働かなければ。老後の年金はない。

これは日本女性が北欧男性を選ぶ時に、自分の身は自分でまもらなければ、年をとってから、誰も守ってくれないという厳しい状況となる。強くなるしか北欧で生き延びることは、日本女性はできない。お嬢様のようにふわふわしていると、老後年金がなく、また外国人夫と別れたときに、日本に帰ることもできない、スウェーデンで暮らすこともできないという厳しい状況となる。覚悟というのは、外国人と外国で結婚する場合に必要なことば。しかしながら、そうやってたくましく素敵に生き成功している日本女性は北欧にたくさんいる。若い女性は、学生の身分なら気楽だが。甘い夢だけでは、やっていけない海外での暮らし。日本がいやだからと言う理由だけでは、厳しい外国では暮らしていけない。


スウェーデン男性は、食事は簡単に食べることは、フランス人男性ほどうるさくない。従って、マイクロウェーブでサーモンをチンしてジャガイモやにんじんを茹で、マーケットで売っているソースを温めてかける。といったことでも文句はいわれないだろう。なぜなら彼らがそうやって食べているからだ。サラダは袋から開けて。ある日はビザ。ある日は、サンドイッチ。など。

ここの女性に求めるのは食事ではない。経済力。というのがスウェーデン男性の本音ずばり。家賃電気代、食費。赤ちゃんの洋服代。自分が着る洋服代。化粧品代は自分で。この自立しているじょせいが好きというスウェーデン男性の本心は、自分の化粧品や洋服代くらい全部自分で払ってよ。それを当然として受け入れ。当たり前。家事もやるけど食事も作るけど。私も働いて、そして家賃半分、生活費も半分払うという根性がないと難しい。



ダーリンにこれもあれも買ってもらって!というのは必ず無理がくる。それはそういう教育を北欧男性が受けていない。男が女を養うという発想は今の85歳以上の北欧男性ならば、そう思うだろう。しかし今の65歳の男性においてでも、ああ。わたしはむかしから、ちゃんと働いて自分のお金をかせぐ女性が好きです。え?家事。そんなの自分でもできますからね。となる。日本の未来もそうなる気が。そうして男女が分業をしないスウェーデンシングルが多いという矛盾。あなたのお金はあなた。という考え方は、うまくいくときと、あまりうまくいかないときが。


あるイギリス人カップルのけんかにたまたま居合わせた時、彼らが言っていたのはアレは私の財産。アレは僕のお金だ。とお金の内訳を巡って大声をはりあげていた。あのお金はわたしのものよ。あの家はぼくのものだ。財産家のご主人と4人のこどもを育てた妻。結局二人は別居そして離婚調停をしているが、夫は膨大な財産を失いたくないために離婚はせずに、いる。

そのモームの表現を借りると、おさるさんのような無知な小さなお金で満足する年のいっている美しくない家の洗濯女中を彼女にした。お金に疎いのがいいのだよ。と彼はいいながら、小さな家を建ててあげ、その女中さんの夫を養い。子供の大学資金や養育費を出すという慈善事業。お金持ちにはそれぞれのなやみがあるようだ。


お互い助け合って補う日本式は、つましくも、わたしには、ある程度理想的ともみえるが、難しい問題。女性も働いて子育てして。家事も勉強も。そんなスーパーウーマンは、両立が全てうまくいくのは、不可能に近い。なにかがやはり犠牲となる。

男性はひとりでも食事にはあまり困らない。掃除や洗濯もスウェーデン男女自立平等教育で自分である程度できる。(南欧ポルトガルやフランスは、北欧男性とは違い日本ににているので、同じヨーロッパでも違う。もっと食事家事に手がかかると、現地おのおのの女性の話)

日本人の中には、サンボシステムが気に入っている場合は逆にいいが、結婚したい女性には、いつまでも結婚を決心しない相手にいらいらする場合もあるとも聞く。うまくいっているカップルも多いが、若い男女では外国人女性とスウェーデン人男性とのカップルで別れる人も少なくはない。スウェーデンでは男女共稼ぎしないと生活がなりたたないために、移民としてスウェーデンに移住してきて、気に入った仕事が見つからない場合に、女性がデイレンマに陥ることや、あるいは仕事が見つからない場合。


理想的な経済にゆとりある生活ができない貧民生活に、嫌気がさす日本女性も少なくはない。学生の場合は全く別問題である。スウェーデン男性は、日本ではどうして専業主婦が存在するの?女性が家にいることができる経済になるのはどうして?

日本の国の年に2回のボーナスは、スウェーデンでは、会社のトップなら別として普通の社員にはあり得ない額。よってスウェーデンでは、日本人みたいに貯蓄をしている若い男性はあまりいない。というよりは、税金が高く、ボーナスがないのでできない。消費税25パーセントや収入税が高いかわりに、医療費や教育費は安い。いつまでも勉強を続ケル大人が多いのは、こういう背景がある。


それは結婚と同居が社会的に同じ権利を持つ。スウェーデンでは、アメリカと違い浮気によって別れた場合でも相手に対して慰謝料などを請求することは少ない。お互いの愛情がさめたということのひとことでかたづけられ、男だから女だからといったことはなさそう。

男女平等は、響きはいいが、アングロサクソン的な半分の財産を女性がもらうといったことは、スカンジナビアの感覚ではない。逆に、アメリカやオーストラリアでは一定期間一緒に住むと女性が権利を主張できる女性が守られるというニュアンスがある。結婚する際に、愛のために、一言書かなかったために、マドンナは離婚をする際に、相手に膨大な財産の半分を持って行かれるのは、そのため。弱者がパートナーで守られるアングロサクソン。という形でが、多くは有能な弁護士により、借金を作ったり、色々操作して、いつのまにか、財産が目減りしてしまう形となるのも多いと聞く。

子供を産んでもそのあと別れ、別のパートナーと暮らす男女も決して少なくない。スウェーデンテレビでシングルマザー特集番組のドキュメンタリーが毎週流れ、3人3様小さな子供を抱えて。夢を持ってたくましく生きる若いママを描いていた。

継母継父やあるいは、その時々で変るパートナーや実親による幼い子供への暴力などは、スウェーデン社会では、厳しく非難される。警察などは、隣人の通報ですぐにかけつけるが、問題は根が深そうだ。シングルマザーやシングルファザーが多い北欧。

ある知り合いのスウェーデン人女性は、赤ちゃんができて、すぐ彼は家をでていった。その後、別の昔からの知り合いのパートナーに恵まれた。実の父親より大切に育て、赤ちゃんの時から面倒をみてくれるのよ。と自慢していたブテイックの可愛いオーナーの話は、美談である。そういう美談がたくさんあることを信じたい。近くの公園では一生懸命子供のブランコをおしたり、砂場で遊ぶ若い父親や母親の姿。子供は犬同様とってもかわいがれているようには、見える。子供を大きな声でしかったり、たたいたりすることは法律で禁じられている。その背後には、子供が家庭の中で親の暴力にさらされているという事実がある。


フランス人の知り合いは、スウェーデンは子供の天国という。辛抱強くだだをこねるこどもを叩かないで、話して教えるのは、犬を育てるより大変よ。とある母親。移民の親は、子供のしつけができないと嘆く。難しい問題であることは確か。それにしてもスウェーデンのオイヌさまはどうしてあんなにしつけがいいのだろう。三つ指そろえて、スーパーでじっとご主人さまを待つ犬たち。そのオイヌさまの北欧スタイルしつけの秘密を知りたい。
by nyfiken | 2008-11-12 10:41